« 変わる私立中高(36)サバイブする学校とは? | トップページ | 変わる私立中高(38)中学入試市場の第4波シフトを促す生成AI リアルな対話以上にリアル »

2023年6月 5日 (月)

変わる私立中高(37)中学入試市場の第4波シフトの意味 思考コードが映し出す学習観の水平的多様性への移行

「GLICC Weekly EDU 第130回「首都圏模試センター×GLICCー2024年度中学入試最新情報」北一成氏の予想」で、北氏の考え方からインスパイアーして、中学入試の第4の波へのシフトを妄想したわけです。2014年から右肩上がりの首都圏の中学入試の第3の波の大きな要因を北氏は、「学び方の変化」と指摘しています。それがゆえに、思考力入試や英語思考力入試など新タイプ入試が急激に増えてきた可能性が大だと。

Photo_20230605014601

★さらに北氏は、中学入試市場を3つのゾーンに分けており、そのうちCゾーンが勢いをつけてきた流れが、この第3の波が生まれてきたこととかかわりがあるのではないかと。そこで、このそれぞれの3つのゾーンの学習観を思考コードに対応させてみました。上記の図がそれです。濃い領域がそれぞれのゾーンの学びの重点領域です。

Kita_20230605015001

★大学入試が一般選抜の受験生数が総合型選抜に比べまだまだ多いので、この3つのゾーンは、まだまだ垂直的序列主義の枠組ですが、世界の情勢が、この垂直的序列主義を水平的多様性に移行させる動きが相当でてきています。もちろん、それは限定的ではあるので、ある領域ZとY領域では、垂直的序列主義型ではあるけれど、Z領域内では水平的多様性になるという入れ子型のシフトの過程をたどることにはなります。

★この過程段階を中学入試市場においては第4の波だと妄想しているわけです。水平的多様性とは、あらゆる差別を見直し、フラットにしていこうという時代の要請でもあるのだと思うわけです。そうなってくると、3つのゾーンは融合していきます。

4_20230605015601

★すでに、この第4の学習観はイメージされています。しかし、まだ学校現場では、すべてがこうなっているわけではないのですが、どのゾーンもこの方向に動くようにアフォードするコレクティブダイナミズムが多方面で起きています。高大連携然り、探究の学び然り、英語の学び然り、大学入試の多様性然り、インクルーシブ教育の必要性然り、エンパワメントの動き然り、SDGsの動き然り、人間の安全保障についても然り、グローバル経済の倫理ベース然り、アントレの重要性然り、平和創造の問題然り、リスキリング問題然り、シンギュラリティ―の加速化然り、あらゆるところで、学習観は、中学入試における第4の波へのシフトと同期していると思えてならないのです。

★第4の波の段階では、私立中高の学習観の水平的多様性を生み出しますが、公立との関係はまだ垂直的序列主義の関係が続いています。しかし、それはやがて、水平的多様性にならざるを得ないでしょう。そうすることで、大学のみならず、中高段階でも海外の生徒が日本に留学しにやってくるのです。この動きはすでに生まれています。少子高齢化が進めば、そうならざるを得ないでしょう。この段階が中学入試市場では第5の波となるでしょう。2030年から2050年の間に、それがはっきり見えてきます。内閣府が実施しているムーンショット計画との同期が起こるからです。

★英語でも日本語でも第4波の学習観で学ぶようになると、海外の中高大の留学生がかなり訪れるようになるでしょう。この動き自体は、内閣府や文科省、経産省の政策にも同期します。政策が実現するかどうかは、法整備とその内実である学習観の整備ということに気づくはずです。そして、これによって、1930年のケインズの予言が日本で的中することになるのです。

|

« 変わる私立中高(36)サバイブする学校とは? | トップページ | 変わる私立中高(38)中学入試市場の第4波シフトを促す生成AI リアルな対話以上にリアル »

創造的才能」カテゴリの記事

21世紀型教育」カテゴリの記事

中学入試」カテゴリの記事

大学入試」カテゴリの記事

創造的対話」カテゴリの記事

創造的破壊」カテゴリの記事

思考コード」カテゴリの記事

PBL」カテゴリの記事

高校入試」カテゴリの記事