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2023年6月29日 (木)

チャットGPTと思考コードプロンプト

★先週の金曜日、このホンマノオト21で「生成AIにおけるプロンプトエンジニアリングと思考コード」を書きました。そんなとき神崎先生(カンザキメソッドで超有名、特に探究、リベラルアーツのワークショップ、総合型選抜対策は秀逸)から声を掛けられました。今ちょうど慶応義塾大学湘南キャンパス(SFC)の大学院で研究をしていて、思考コードの生みの親なんだから、思考コードの新しい取り組みのアイデアはないのか?と。

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★私は、研究などタイトなことはできないのですが、アイデアだけならと。そこで、まず思考コードプロンプトエンジニアリングをやってみました。ある生徒の1つの文章を、思考コードのA・B・C軸ごとに、連続してCoTプロンプティング(Chain of Thought Prompting)していきます。

★すると、A軸は素晴らしい分析をしてくれます。ところが、B軸の適用(的思考)の観点では、一つの文章では、どう適用しているかわからないから分析できないと回答してきます。論理的思考はOKです。

★C軸では、創造的思考はOKなのですが、批判的思考ではGPT自身は、批判はできないと回答します。そこで、作者はどんな批判的思考を使っているか分析してよと頼むと、それはできますと見事に分析してくれます。

★その分析が正しいかどうかは精査が必要ですが、おもしろいのは、適用は複数のデータをCoTしてよということですし、批判的思考は自分は出来ないけれど、作者の立場ならできるのだと。つまり、ここには主観性と客観性の識別(それゆえ、図のようにGPT自身と作者の立場で分ける必要があったのです)をGPTがきちんとしているということです。

★逆に今まで、主観は排除して客観性に偏ってきた学びは、それこそ主体性を生み出せない壁だったということが映し出されたわけです。

★主体性を求めるには、複眼的思考と批判的思考が育たないとということでしょう。

★「主体的・対話的で深い学び」には、複眼的思考と批判的思考必須ですね。もちろん、そのベースに、知識・理解、論理的思考は必要です。

★そうそう創造的思考は、GPTはできてしまうんですよね。これは創作物として見ることができるからでしょう。そして、そのクリエイティビティの正当性や信頼性、妥当性を支えるのは、複眼的思考や批判的思考で、その二つがあるから、批判的思考が独善的にならないのでしょう。信頼性や正当性、妥当性を生み出すのは、複雑な思考が対話によって織りなされなければならないようですね。

★対話やPBL、そしてその向こうにあるメタローグはいかに大事かということですね。

★そうそう、チャットGPTを「高倫理」のもと生徒が使うと言語能力や思考力、コミュニケーション能力を高めるツールになるかもしれません。

 

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