変わる私立中高(36)サバイブする学校とは?
★いろいろな学校の現場の先生方や理事長・校長・教頭と対話する機会が多いのですが、すごいなあと思う学校は、どんどん質と量ともに充実しているし、たしかに質と量の両方が右肩上がりになり、高めで安定し始めています。
(ドネラ・プロジェクトの原稿では、質量ともに充実し続ける学校のケーススタディをしています。)
★たとえば、校長と話していて、少し学びの理屈や思考の話をしてみると、すぐに意気投合する場合、なかなかいいなあと思うのですが、別の機会に、教頭が少しそれに批判的で一般選抜が大事なんだと主張する場合、組織作りが大変だろうなあと思うわけです。
★その逆の場合もありますが、それは意外とよいのです。なぜなら、その教頭は、経営的な点で校長を支え、教学部分は任せられていて、新しい学びや活動に力を注げるからです。こういう学校は、校長が変わっても教頭と現場の先生方が一丸となっていれば持続可能なわけです。よほど理事会が現場の理解がない場合を除いては。
★さらに、校長も教頭もそして現場の教師も本当に一丸となって活動し、学びの理論についても進んで学んでいる学校があります。このような学校は文句なしですね。
★昨日もある学校でいろいろ多岐にわたる話を校長先生と教頭先生と対話しましたが、ぐんぐん伸びている学校の条件を揃えています。新しいつながりにもまずはやってみうようか本間さんと校長も教頭もすぐに動きます。「好奇心ーオープンマインドー問い生成」のコンセプトレンズを互いに持っているので、響き合います。
★私の周りには、幸いにもそのような先生方がいっぱいで、この間もある学校に訪れたら、その学校の副校長先生に、「本間さんコレクティブインパクトをつくるときに共通の尺度が重要だと言っていましたよね、私も本当にそう思います。多くの海外の学校と交流していく時に、やはり暗黙知としての尺度があるのはわかっていたんですが、確かにディスカッションしながらちょっと可視化していこうと思います」と声をかけられました。
★また、これは現場の美術の先生方の授業なのですが、いわゆるアート思考やデザイン思考など当たり前で、バウハウスのようなアート的なセンスと技術を生徒と共有する学びをナチュラルに自由な感じで行っているところは、ほんとうに生徒がフロー状態でプレイフルな雰囲気に満ちています。このような美術の先生方が自由に創発できる環境を創っている教務陣や経営陣がいる学校は、たしかに伸びていますね。
★チャットGPTの使い方など、もちろんセキュリティの問題や著作権の問題の議論もしつつ、実際に校長や教頭が使いながらメリット・デメリットを検証している学校もあります。頭から否定するのではなく、多面的に洞察していく思考習慣ができていて、かつ変わることに恐れを抱かないリーダーがいる学校もたくさんあります。この間もある学校の校長先生は、自らノートパソコンを持ってきて、いっしょに使いながら議論しました。そういうことだよなあとなんか爽やかでした。
★ことさら大きな声で言わなくても、予測不能な時代は今ままでもそうだし、これからもそうなのですから、校長や教頭のみならず教師の皆さんが洞察力と行動力の達人であれば、なんら問題ありません。実にシンプルで本質的なことです。どうやってその力をつけるの?研修ですか?そういのもありですが、日々、校長、教頭、教師が対話しまくり、生徒のエージェンシーを生み出す環境づくりに試行錯誤して汗を流していれば、シンプルで根源的なものが見えてくるものです。もちろん、世界への眼差しは当然ながらその対話には織り込まれています。
★中学受験は、第3の波から第4の波にシフトします。このままいけば、その波を生み出す学校もあるでしょう。その波にうまく乗る学校もあるでしょう。飲み込まれる学校もあるでしょう。しかし、すべての私立学校が生み出す側になるように微力ながら動きたいと思っています。
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