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2023年6月 7日 (水)

変わる私立中高(42)人気校の不易流行の作り方

★ここのところ6つの教育のうち4つ以上に取り組んでいる学校は人気が高い可能性があるという話をしています。すると、独自性とかなくなるのではないかと思う方もいるようです。たしかに、その4つだけを教育していたならみな似たり寄ったりの学校になるでしょうね。しかし、私立学校は、建学の精神に基づいたコンセプトXが6つの教育に浸透していくわけです。その建学の精神に基づいたコンセプトXは独自のものでしょうから、同じ衣装を装着しても人が違えば、それぞれユニークなのは変わりがないのと同じです。

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★建学の精神は、不易ですが、Xの部分(何がXかは学校によって時代によって違う)や力を入れる6つの教育は時代によって変わるものです。したがって、私立学校の教育は独自のそして先見性、先進性ある不易流行の組織を持続可能にしています。変わらぬものと変わるものとのバランス、伝統と革新の統合などという表現がなされるものそういうわけです。

★それにしても、この真ん中に建学の精神に基づいたSDGs教育を設定して、実践しているすばらしい学校があるのですが、そこの学校長が、SDGsなんていっているのは古いと言われてしまったと苦笑いしていました。もちろん、だからといって、その学校長が動揺していたなどということはありません。対処療法的なうけねらいの方がいるのは世の常で、私たちは根源的な問いを共有し、それを生徒といっしょに解決すべく学んでいくのだという気概を示されていました。すばらしいですね。

Sdgsprocess

★ちなみに、SDGsはご存じの通り、突然採択されたわけではありません。1972年の「成長の限界」のWorld3というシステムダイナミクスによるシミュレーション予想にルーツがあります。そこから環境問題をone earthとしてとらえ、国連などを中心に国際会議を重ねて採択されるに至っています。

★それなのに、SDGsは古いとか決めつけてしまうのは、もったいないですね。しかも、そういう方に限って、システム思考がどうのこうのとか氷山モデルがどうのこうのとか口角泡を飛ばして熱く語るのです。

★その考え方は、「成長の限界」を中心的に執筆したドネラ・メドウズの発想法です。SDGsは、いわばドネラ・プロジェクトのミームを引き継いでいるわけです。不易は氷山モデルでいえば、見えない部分ですね。流行は見える部分です。

★その両方のループの関係性を洞察するのがシステム思考だし、ドネラ・プロジェクトを引き継ぐSDGs教育です。

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