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2023年6月23日 (金)

豊島岡女子学園の科学的思考ベースの探究とグローバル教育の相乗効果

★本日豊島岡女子学園で、研修会「これからの私学の学習環境デザイン~学習者主体の学びの実現と創造性の滋養に向けて」の一日目が開催されました。主催は一般財団法人日本私学教育研究所。全国私立中学高等学校 私立学校専門研修会 教育課程部会の企画運営です。日本全国から参加者は140人くらいの大盛況でした。

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(写真は、日本私学教育研究所発行の実施案内から)

★豊島岡女子学園の5,6時間目の探究を中心とする授業及び教科授業など学内を見学した後、探究とSSHの授業やプログラム、それらのシステムについて2人の先生による分厚いプレゼンテーションがあり、その後1時間熱い質疑応答がありました。

★探究もSSHも高大連携やグローバルな連携、地域との連携など、幅広く学問的に深い、そして社会実装した学びが行われていることに参加した全国の先生方は感嘆していました。

★生徒は午後5:20には下校、先生も午後5:30には退勤です。限られらた時間を有効活用するには、主体的に創意工夫しないと教科学習と破格の探究やSSHのプログラムを活力ある学びにできないでしょう。

★なぜこんなことができるのが、質問は山のようにでました。

★豊島岡女子学園の先生方は丁寧に納得のいく回答をしていました。説得力は、実際行えているわけですから、あるのは当然です。

★しかし、先生方の話を総合すると、どの先生も密度の高いコミュニケーション能力を持っていて、あふれるほどの知恵を蓄積する一方で、生徒に対して必要最小限度のアドバイスやフィードバックしかしないわけです。限られた時間のはずですが、実は余白ができるのはそういうわけです。先生が話す時間が少なくなれば、生徒の主体的な思考活動の時間が実はできるのですね。

★それから、大学並みの専門性を必要とする生徒の探究活動については、教師は大学とつないで解決する知の交渉力が巧みでパワフルです。

★しかし、なんといっても数学的思考や数理最適化、要するに、社会現象や自然現象を方程式化してエビデンスを定量的にきちんとはじき出して、質的リサーチと重ね合わせて検証していく学問の基本姿勢が6年間で養われます。それを全校で取り組んでいるのです。恐るべしです。

★しかも、長時間生徒がかけるのは、探究やSSHではないのです。教科の授業です。推薦型選抜は、全体の4%前後です。多くが一般選抜なのです。

★ここが豊島岡女子学園の強みですね。探究やSSHを総合型選抜のために行っているわけではないのです。大学受験と探究やSHHなどのいわば研究はあの二刀流なのです。受験へ立ち臨む集中力と、受験にこだわらずどこまでも自分の好奇心を研究につなげていく「考動」。

★研究につながるから、おのずとグローバル教育にもつながるわけですね。

★すばらしい豊島岡女子学園の教育は、しかしすべての学校が即真似ができるわけではありません。もちろん、本郷レベルの学校はできるでしょうし、また独自の取り組みを行うことでしょう。しかし、そうでない場合は、デフォルトモードシステムをいったん作らなければならないでしょう。

★参加された先生方は、学校に戻り、どのように豊島岡女子学園のような教育を、どのように創意工夫すればよいか議論をすることになるでしょう。同じことはできないけれど、同じような水準は目指したいと。豊島岡女子学園の先生方の教育創造力と外部ネットワークを張り巡らす知の交渉力に感服です。

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