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2023年6月16日 (金)

変わる私立中高(46)教科の探究化 夢のある大学入試問題を活用 東京学芸大・高校探究プロジェクト 理科の場合

★内外教育(2023年5月23日号)に、「大学入試問題、新フェーズに突入か?」という記事が掲載されています。東京学芸大・高校探究プロジェクトの生物のオンラインセミナーが紹介されていました。紹介されていたのは、生物の授業を探究的な学びをベースに行う取り組みです。その際、大学入試問題を活用して行うことにより、「探究的学習活動と受験対策の一石二鳥を狙った授業を一つの目標にしているというのです。

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写真は、東京学芸大学サイトから

★なんだ今までだってやってきたことではないかと思われる方もいるかもしれません。しかし、ここでは、探究につながる大学入試問題を探してジョイントしようということです。

★つまり、これができるのは、大学入試問題が変わってきたからというわけです。必ずしも教科書にあるわけではない内容を、仮説を立てながら推理していく、もちろん論理的に考えていく問題が、小論文などではなく、今までのペーパーテストの中に設定されるようになってきたということです。

★このプロジェクトに参加しているZ会の勝又真佐子氏は、このような問題を「夢のある入試問題」と称しています。

★勝又氏が選んだ九州大学2022年度の生物の入試問題は、<「宇宙船地球号」に見立てた国際宇宙ステーション(ISS)がエネルギー源を太陽電池パネルによって太陽光から得ていることや宇宙飛行士が排せつした汗や尿は装置によって再利用される一方、食料は地上から補給され、固形排せつ物は専用器に詰めて船外に放出されている――といった、実際のISSをもとにした情報が盛り込まれた問題文を提示し>、<「ISSを生態系として考えた場合、次の(a)から(e)の説明から正しいものすべて選びなさい>というものだったといいます。

★内外教育の記事には、その選択肢は列挙されていませんが、「すべて選びなさい」ですから、正答率はそう高くなかったでしょう。

★しかも、もし選択肢ではなく、記述や論述だったらどうでしょう。ISSの生態系としての機能を説明し、これからの生態系を持続可能にする仕組みをISSを使って説明できるか、できない場合は、それによって生態系を持続するにはどうしたらよいかなど考えるきっかけにすればよいが、どんなところが問題なのかなどなど、生徒自身が問いを作成してみる授業にすると、教科の中での探究化というのが、探究の糸口を見出す重要な役割を果たすことでもあることがわかります。

★このような夢のような入試問題がほかにも紹介されています。つまり、どんどん増えてきたということでしょう。

★探究の学びと「夢のある入試問題」を結びつけることによって、受験勉強の価値の転換が起こるかもしれませんね。

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