変わる私立中高(29)教育市場の量と質が変化 21世紀型教育機構定例総会で改めて気づく
★昨日は、一般財団法人東京私立中学高等学校協会の常任理事会、評議員会、定例総会と一日がかりでありました。その後夜は、21世紀型教育機構の定例総会があったわけです。年度初めですから、日本中、各所各領域で総会が行われている時期です。東京私学全体と21世紀型教育機構という有志のコミュニティは、シンクロするところが多いのですが、その共通部分があるがゆえに同機構の独自性も見えてきます。
(昨年夏、クルックフィールドで、21世紀型教育機構のSGT:スーパーグローバルティーチャーのプロジェクト合宿シーン)
★東京の私学全体は、確かに大きく転回しながら変化していっています。そして、それを個々にまで接近して見てみると、素早く変化しているのです。この大きな転回と速い転回は、つながっています。
★よく教育は企業に比べて変わらないと言われます。でも、その企業というのは、かなり個別的な話なのです。GAFAMなど企業全体の動きではないのですが、その動きが地球上の企業の動きの速度だとメディアは論じがちです。
★教育業界人の、そういうわかりやすい通説を語りたがる人は多いですね。そして、それに比べて学校はどうのこうのと、およそ社会構造や経済政治システムとの連動を無視して語る人。言論の自由ですが、そういう人に限って社会構成主義だとか。。。???です。
★それはともかく、マクロでみると、地球で生活していて自転を体感しないように、教育全体の変化は感じにくいものです。でも、同機構のように10校くらいのコミュニティの動きを見ていると、なるほど着々と変化しているなあと実感するのです。
★1校ではなく複数の学校が参加しているスモールサイズのコミュニティであることに意味があります。それは全体の動きとコミュニティの動きの共通点がはっきりみえるからです。そして相違点も。
★1校だけだと、それが全体とどうかかわっているかが見えにくいのです。独自性ばかりが目につきますから。
★全体も同機構も、私学経営の方法を先鋭的にしようとしています。それからこれからの教師を、同機構のSGTのように公立学校の教師像にさらに付加価値を生みだしています。
★そして、その前提には、教育市場の垂直的序列型、つまり優勝劣敗型から水平的多様性型、つまりすべての生徒がオンリーワンとして卓越性を生みだせる教育市場に変化しています。
★そう感じない人は、自分が垂直的序列型の市場を容認しているアンコンシャスバイアスがあると思ってみるのもよいかもしれませんね。
★おそらく10校のコミュニティが、2011年からはじめたこの垂直的序列型教育から水平的多様性型教育へのシフトが市場で共感を得て、その市場が広がったという力学と垂直的序列型優勝劣敗市場が悲鳴を上げて同機構のような教育を希求したというニーズがあったからでもありましょう。
★教育の変化の創出が先か市場のニーズが先か、それは循環しているので、どちらでも構いません。大切なことは教育の変化と市場のニーズの変化がマッチングし、化学変化を生み出しているということです。
★思考力と英語力とICT力というシンプルな能力の組み合わせがどんどんフラクタルのように増殖している音が聴こえませんか?耳を澄まして、その響きを聴きましょう。そして、ワクワクその響きをいっしょに奏でようではありませんか。
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