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2023年5月15日 (月)

変わりゆく世界(07)ハイテックハイの教育を私立学校はアレンジしつつある

★数年前、米国カリフォルニア州にあるハイテックハイ(HTH)が話題を呼びました。ハイテックハイを舞台にしたドキュメンタリー映画「MOST LIKELY TO SUCCEED」の試写会が各地、各学校で行われ、教科授業も定期試験もない、PBLでいわゆるSTEAM教育の塊みたいな教育に魅せられ、同時に日本ではできないと落胆する教育関係者が多かったように記憶しています。しかし、コロナ禍で、特に私立学校は、STEAM教育が加速したし、総合型選抜によって、定期テストのあり方も変わりつつあり、学習指導要領の枠内でHTHのような教育ができることに気づき始めました。

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★他人の芝生はなんとかで、米国で実践していると何か日本とは全く違うもののように喧伝されがちです。コンパラティブスタディーをすればよいだけなのに、日本ではできないと失望したり絶望したり。。。

★でも、たとえば、ハワード・ガードナー教授のマルチプルインテリジェンシーズ(多重知能)なども日本では流行ってきましたが、そもそも日本の学習指導要領は、はじめから、ガードナー教授の8つの知は教科によって満たされているのです。ただ、どれも満遍なくとか、教科横断がなかなかできていなかったりとか、ガードナー教授の意図とはだいぶ違うように見えるのも当然です。

★とはいえ、ベースはあるのですから、PBLを導入し、教科横断型で、learning by makingといった新しい学び方を結合すれば、新しい化学変化が起きます。現状の日本の教育、特に私立学校はそうなりつつあります。

★それに、伝統工芸、芸能、食文化、武道など、日本の人間国宝級のプロフェッショナルに会ってその技術を見て、話を聞き、質問して体験するツアーを、「Deeper Japan」を運営しているディーパートラベル株式会社の石川光代表が仕掛けているらしいのです。

★これは、従来のインバウンド観光とは違い、ディープな日本文化のキュレーションを行う日本列島を日本文化ミュージアムにしてしまおうという試みだと思います。部分的には、今まで行われてきたのでしょうが、職人の技をSTEAM的プログラムに可視化してしまおうという試みでもあるなと注目しています。

★とにかく、米ビッグ・テック創業者、創業期メンバー、著名クリエイター、富裕層、知識人、職人らが次々に日本を訪れているというのです。この発想は、私立学校は、探究やSTEAM教育にアレンジしていけると思います。なぜか?PBLというプロジェクト型が学習が浸透しつつあるからです。

★私立中高一貫校に留学生も多くなってきました。イギリスやアメリカのエスタブリッシュスクールは、すでにそうなっています。私たちも私立中高一貫校のキュレーションベースのプロモーションをしていかなくては!そう思わざるを得ないほど私立学校の世界を巻き込む教育が進化しつつあります。

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