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2023年5月24日 (水)

変わる私立中高(27)海城中に期待がかかるわけ

★先日の東京国際フォーラムで行われた東京私立中学合同相談会<Discover>は、どこの学校も黒山の人だかりでしたが、海城中もその例外ではありませんでした。むしろもっと多かったかもしれません。なぜでしょう。それは、東大をはじめ名門大学にたくさん合格者を出すからであることは間違いありませんが、海外の世界大学ランキング100位以内の大学に、毎年複数合格者を出しています。進路の射程が明快にグローバルなのです。

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(プレゼンは特別校長補佐の中田先生。いつもながら論理と情熱のポスターセッション。参加者は中田ワールドに引き込まれていました)

★たとえば、2023年度に合格した海外大学は、同校サイトによると、つぎの7校でした。

Grinnell College
Rutgers University
University of California San Diego
University of Toronto
University of Wisconsin Madison
Union College
Kenyon College 

★トロント大学やUCSD、ウィスコンシン大学などのほか、名門のリベラルアーツにも合格しています。

★このような結果はともかくすばらしいですね。そして、私が注目しているのは、学校がこのような国内外含めたグローバルな視野の進路指導に学校全体でシステムとして動いているということです。そのような意味でグローバル教育環境がきちんとデザインされているのです。

★東京の高偏差値で東大にたくさん入る海城学園で終わらずに、世界で活躍する人材として巣立っていく教育環境デザインがあるんのです。

★これが同じ難しさの中高一貫校とは大きな違いがあるところだと思います。

★なぜそれが重要か。そのようなシステムは、同じレベルの学校が暗黙知のままにしているのを形式知化しているあるいは可視化しているからです。なぜそれが重要か?

★いうまでも、日本の教育に貢献するからです。自分の学校だけではなく、ほかの学校にお良い影響を与えることができます。

★そういう意味で大いに期待がかかるのです。

★今年の春、IB教育の第一人者大迫弘和先生が校長に就任しています。校長挨拶のページで、「君よ 豊饒の大海原へ漕ぎいだせ」という詩を掲載しています。最終連を「君は新しい紳士となり/地球を救済するのだ」で終えています。

★決意と覚悟と愛の詩です。英語の勉強をするとか海外研修をするとかという意味でのグローバル教育を海城が行おうとしているわけではないでしょう。グローバル思考、One Earth思考、そして宇宙船地球号を救う使命を有するグローバル市民がますますたくさん輩出されるでしょう。

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