変わる私立中高(19)世界を創るリーダーがスタートラインについた感じがする
★今週月曜日、啓明学園で研究会がありました。聖パウロ学園の校長小島綾子先生も参加していました。久しぶりと言いつつも、私が学園から離れて1か月も経っていないのですが、その間に学園は大きく発展しているのです。驚きでした。私は言っていただけですが、小島校長の実現化のパワーは見事です。小島校長の描く新次元のパウロの教育環境がどんどん広がっています。
(左から小島校長、高橋国語科主任。私が在任中のときに撮影)
★この新次元構想は、パウロという学校づくりということもありますが、建学の精神にもとづきつつも生徒1人ひとりの世界を生み出す教育環境づくりということです。それぞれ違う世界を広げ深堀していきながら、その世界はやがて大きな化学変化を生み出し、一つのかけがえのない地球を持続可能にする世界観を生み出すでしょう。
★お会いして話した時に、すぐに自然と社会と人間の精神と超自然的インスピレーションが統合というより核融合する感じのインパクトを受けました。
★さりげなくキャリアアッププログラムの一環としてのボランティアを生徒と共に実施してきたばかりだけれど、そこで生徒は過疎の問題意識を引き受けてきましたよと。根源的な問いを内面に生み出した生徒への校長の眼差しには、遠くの出来事を美しく見ているのではなく、近くの出来事に根源的に大切なものを見出すセンスを生徒と共感する温かくも神聖な光が輝いていたのです。
★今の生徒は、問いが立てられないとか、興味関心をなかなかもてないとかいう話は結構世の中で語られていますが、パウロの生徒はそんなことがないのです。なぜなら、いろいろな体験を通してコペ転をするというのが思考のルーチンだからです。聖パウロ自身、自らがキリスト教を迫害する側から、あるとき改心しキリスト教を布教する広報部長として世界にその精神をいまも広める超自然的なエネルギーを生みました。
★パウロ生は、ことあるごとに、リフレクションして自分のものの見方・感じ方・考え方を変換させていきます。そのために、多様な体験を年計で決めるだけではなく、変幻自在に外部とネットワークをつくって新しい学びの空間を創っていきます。
★この稼働力に卓越しているのが、小島校長や国語科主任高橋先生です。もちろん二人だけではなく、パウロの教師の<考動力>と<パッション>は凄まじいのです。そうそう、忘れてならないのは、生徒がまた凄いんですけどね!
★私はダイヤモンド富士にならって、ダイヤモンドパウロ生と呼んでいます。なぜって、パウロに入学する生徒は、中学時代の内申でいえば、5科平均3なのです。中学受験の偏差値50は、日本の同学年100万人のうちの10万人の母集団の話ですが、高校入試の偏差値50というのは、100万人が母集団です。
★ですから、パウロの生徒は入学時、全国の生徒を母集団とするベルカーブの頂点に位置しています。そして、小島校長率いるパウロの先生方が生み出す教育環境デザインによって、光りを放つのです。ダイヤモンドの価値よりももっと価値ある輝きです。ですから卒業時には、生徒本人が驚くほど変容しています。
★中学時代、自分の才能の芽にまだ気づいていなかった生徒がパウロの森の命の息吹の中で、発芽し開花していきます。小島校長が新しい企画を生徒と策定し運営しているものの一つに「森の教室創り」というのがあるのも、当然ですね。
★もちろん、先生方の努力や情熱は並大抵でないことは言うまでもありません。若い先生方は仲間と対話しながら、小島校長と対話しながら、常に新しい活路を見出していきます。その活路は常に新しいのは、生徒は1人として同じ存在者ではないからです。
★若い先生方は、時としてあの生徒は昔のあの生徒のタイプですねと語る時があります。その話が耳に入ってきたとき、私はシメたと思います。先生方がまた成長するし、その生徒の飛躍もすごいものになるからです。
★数日して、その先生は同僚にこう語ります。いや全然違っていた。タイプを当てはめることはできない、それは危ないと気づいたよと。私は、そのたびに聖パウロに祈ります。ありがとうパウロ。私たちはあなたが言うようにときとして生ぬるけれど、熱いか冷たいかはっきりしたとき真理が降りてきます。その瞬間を与えてくださってありがとうと。
★小島校長は、この機会を教師にも生徒にも仕掛けていく卓越した教育環境プロデューサーでもあります。多くの見識者や地域の方々が彼女を応援しているというか、彼女の世界に巻き込まれていきます。
★そして、啓明学園に参加した先生方も、小島校長に劣らず教育環境プロデューサーだなと感じます。研修会に参加するたびに、小島校長のような生徒が物理的精神的両面の世界を生み出す教育環境プロデューサーであることに気づき感動します。
★生徒の生み出す世界はいろいろな世界であってよい、いや、それがよいのですが、その多様な世界は必ず化学変化を起こし大きな世界を生み出すでしょう。それが「世界制作」というものです。多様な懸念や不安はあります。AIにしてもそうです。その不安を無視するのではなく、小島校長のような教育環境プロデューサーは、逃げずに、それを引き受け、前に進みます。その気概の持ち主が、私立学校では増えてきています。
★2023年は、世界を創るリーダー(校長に限りません)がスタートラインについたと感じる今日この頃です。善玉メンタルモデルを駆動させるリーダーが増えることは実によいことではありませんか!
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