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2023年5月 3日 (水)

変わる私立中高(18)美術の取り組みが世界を変えるゆらぎを生む

★昨日、世田谷学園と日本工業大学駒場の美術の先生と対話ができました。対話といっても、あくまで私は立ち会っただけですが。東京私学教育研究所がサポートする「芸術体育系教科研究会」の「美術」の委員会だったからです。先生方と所員が、今年度の委員会の研修会やワークショップなどの事業計画策定の会議にお邪魔するという程度のものです。しかし、聴いているとワクワクしてきたわけです。

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(写真は、日本工業大学駒場のサイトから)

★両校とも進学に力をいれて、実績も毎年向上させているわけですが、氷山モデルでいう見える学力を支える生徒の才能や共創意欲のような資質・能力が生成される源泉は美術の取り組みなのだなあと。

★よく、AI時代は哲学が大事だとか文化人類学だとかいわれますが、それを生徒全員が学ぶ機会は今の学校カリキュラムでは現実的ではありません。しかし、最近の美術の取り組みは、アート思考とかデザイン思考とかSTEAM教育とか、現代美術をわかりやすく構造化した学びのプログラムが包括されています。

★これだと中高一貫校の場合、生徒全員が参加できるなと改めて思ったのです。

★先生方の話は、さまざな美術の領域―たとえば映像やモノづくり、工芸、版画、彫金、油絵、ロゴづりなど―のテクニックや素材の作り方など多岐にわたりましたが、いずれも、最終的に一人の没入世界や共創の中で、自ら振り返り変容している自分や仲間に気づいたり、アンコンシャスバイアスに気づき自分の考え方が転換していくような目に見えない世界をいかにカタチにするかという挑戦なんだということが了解できました。

★内的空間の変容を物質以上のなにものかとしてカタチに反映した時、新たな世界が生まれてくるなあという実感を抱くことができました。

★このような内的空間の変容が広がり、それがカタチとなる世界はf分の1のようなゆらぎを生み出し、そのゆらぎが共振を生んでいくのでしょう。

★同委員会の研修やワークショップの企画は、これまでも他教科の先生も巻き込んでいくものです。美術教育センターのような広がりが生まれるのではないかと。もっとも、お二人の先生は脱中心、ボトムアップを好むので、センター構想とは別のものになるでしょうが。つまりそれこそ新しい動きですね。ワクワクしたのはそういうわけです。

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