変わる私立中高(03)海外大学進学準備教育広まる
★広島で行われるG7を前に、いろいろなことが動いています。4月4日に9回目となる教育未来創造会議が開催されたのも間接的かもしれませんが、その一つでしょう。今年3月17日というアフターコロナの兆しのある中で、岸田文雄首相は教育未来創造会議で、2033年までの留学生に関する目標を示しました。外国人留学生を40万人受け入れ、日本人留学生を50万人送り出すというのです。今回の同会議でも、その破格の目標実現のためのエビデンスや根拠が示されました。とはいえ、最も重要な点は明快にはまだ明快には語られていませんでした。
★軽井沢で行われたG7外相会議をみていても、新たな地政学的関係をグローバルサウスとどうつくるかが争点だったと思います。つまり、AI社会に突入する時、その背景にある膨大な資金協力関係をどうつくっていくか。その知恵が必要だし、世界的なネットワークをどうつくるかがベースにはあります。
★知の新しい経済社会をつくるのが、岸田政権の目論見でもありますから、高等教育をベースに知のインバウンド、アウトバウンド政策を進める必要は当然あるわけです。つまり、地政学のみならず、地経学の新たな展開ですね。
★財源はどうなるかわかりませんが、産官学協力してやらねばという緊張感が資料から読み取れます。
★これを実現するには、財源は大事ですが、それ以前に、中高時代から海外大学準備教育を中心としつつ、海外からの留学生受けいれも行っていく必要があるでしょう。しかし、実はその動きは、私立中高一貫校の21世紀型教育推進やグローバル教育推進の中で、行われているのです。
★2013年に、開成が世界大学ランキング100位以内の海外大学に多くの生徒を進学させて以来、開成のみならず、多くの私立高校からその動きは広まっています。
★また、ラウンドスクエアやダブルディプロマコミュニティなどとのネットワークを各私学が自前でつないでいく活動も広がっています。
★もちろん、私立中高一貫校の生徒は、地政学、地経学的な時代の動きをキャッチしているだけではなく、自らの興味と関心を、研究や起業につなげようという自己マスタリーの道をまずは重視しています。その結果、地政学や地経学におけるウェルビーイングな世界を創っていくことになればよいというわけです。効果的利他主義ということでしょうか。
★ですから、直接国益のためにというわけではないでしょう。私立中高一貫校と国の高等教育政策は、共通するところもありますが、このような相違点もあります。
★国と私立中高一貫校の違いは、未来に対する展望に違いがあります。もちろん、それが明らかになるのは、これからでしょうが。
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