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2023年4月18日 (火)

変わる私立中高(04)芸術系大学に多数進学する中高一貫校 女子美1位、吉祥女子が2位、桐朋女子が4位、鴎友が6位、共立女子が9位、フェリスが11位、女子校が強い意味。

★「中高一貫校&塾&小学校(週刊ダイヤモンド 2023年4/15・22合併号」の特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾&小学校』(全29回)には、「過去3年間の芸術系大学の合格実績」を集計してランキング化されています。1位が女子美(内部進学は含んでいない)、2位が吉祥女子、4位が桐朋女子、6位が鴎友学園女子、9位が共立女子、11がフェリス女学院。詳しくは同誌を見て頂ければと思います。

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★興味をもったのは、女子校が強いという印象を受けることです。スポーツは男子で、芸術は女子というようなジェンダーに関することについていいたいのではありません。むしろ、理系も女子が増えている中、女子校が芸術系大学に行くことの意味は何かということに興味があります。

★理系に女子志望者が増えているというのは、国や各大学が応募政策や戦略を創意工夫しているからというのもありますが、STEAM教育、SDGs教育の広がりの影響が大きいのではないかということです。

★海外の大学では、工学部の中にファインアートを学ぶ学部や学科があります。日本では、まだまだですね。ところがSTEAMというのは、国際的な動きですから、当然理系と芸術系は交差するわけです。そこに日本の生徒も気づいてきたということでしょう。

★また、SDGsでは、多くはデザイン思考型のプロジェクト学習になっています。SDGsの根底にはデモクラシーの理念があります。表現の自由や、ゴールデンゴールズでも課題にしている格差問題の解決に興味をもつ生徒は多いですね。特に女性のエンパワーメントの問題意識はSDGsや国連の国際会議では重要ですから、女子校の生徒がそこにフォーカスするのは必然かもしれません。

★それゆえ、理系や芸術系に進路を決めるというのかもしれませんね。

★それから、もう一つグローバル教育については、女子校はかなり進んでいます。女子校から共学校になったところもそのまま破格のグローバル教育を展開しています。

★グローバル教育は英語と実は芸術なのです。それは国連やユネスコなどに訪れればすぐにわかります。英語はその中では、公用語の1つで、コミュニケーションをとるのにディスカッションをするのに必要ですが、それらの建物の壁は、平和を訴える芸術作品が陳列されていて平和ミュージアムさながらです。

★美大に限らずですが、美大も英語が必要だし、工学部も芸術が必要だという時代なのです。

★大学に行ってから途中で、あるいは卒業して留学する学生もいます。むしろ、これからはどんどん多くなるでしょう。岸田政権も50万人を留学させたいといっているぐらいです。50万人というのは、毎年の大学の受験生の数に匹敵するわけです。

★英語は言語です。言語と数学と芸術と天文は、リベラルアーツに重なります。STEAMと哲学が今私立中高一貫校で注目されています。理系は当然宇宙が旬ですから、時代はリベラルアーツの現代化に突入しているのでしょう。

★女子校は、もともとその素養を大切にして教育していますから、結果的に芸術系の大学進学者が多くなったのかもしれませんね。

★そうそう、同記事には、次のような記載もありました。こういうところからも芸術系大学の人気もでてくるかもしれません。

「今年3月下旬、その難関を突破して話題になったのが、人気アイドルグループ、乃木坂46の池田瑛紗さんだ。藝大を目指して浪人中に乃木坂のオーディションに合格し、芸能活動を行いながら藝大入試を突破したという。しかも出身高校は、私立中高一貫校の女子御三家の一角を占め、「JG」の愛称で知られる女子学院だと言われている。」

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