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2023年4月 3日 (月)

思考を生み出す思考の時代(01)問いを生み出す源泉は何だろう

★「総合的な探究の時間」であれ、「教科の時間」であれ、今や暗記の時代ではなく、思考の時代であるとは、多くの人が認めるようになっているでしょう。しかし、一方でやっぱり暗記は必要だよね、思考の前提だと思うという話になります。暗記か思考かというような話に常になってしまうわけです。しかし、現場では、どっちも必要で、目の前の定期テストや資格試験、大学入試などその種類によって使い分けをすることができればよいとなります。たしかに、それがよいのですが、それを認めることは現実主義ではあれ、プラグマティズムではありません。

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★暗記も思考も体験です。その体験を通して結果を出すことが重要で、その成功体験の蓄積によって、暗記の仕方、思考の仕方について、それぞれの体験者が理論然として主張します。現場はそれでよいのだと思います。

★ところが、これをやっている限り、それらを集約した日本の優れた教育を世界に提案することはできません。もったいないですね。

★そこを体験を通して、生徒の知性や感性、身体性が成長するセオリーを見出すプラグマティックな視点は必要です。

★がしかし、そのセオリーはあくまで仮説ですから、適応しつつ修正していくことは必要だし、あるときは思い切り捨てなければならないときもあるでしょう。

★その成長について、遺伝学や心理学や脳科学などで検証していくことも、実際に行われていますが、とても大事です。AIのリスクマネジメントのためには、この分野はますます必要になるでしょう。AIの時代は、人間自身の思考成長(TX:Thinking Transformatin)の探究の時代でもあるのかもしれません。

★思考を活性化する授業やワークショップ(WS)としてアクティブラーニング(AL)やプロジェクト学習(PBL)が注目を浴び、今やだれでも行うことができるようになっています。上記の写真にあるようなプログラムを生成する構成をダイナミックに作成できるようなカードやハート&スクウェア―のような付箋は、ALやPBLを行っている人は、一度は使ったことがあると思います。

★これらは、オンライン授業の中でも活用できます。したがって、みんなが思考する・共感するなどのWSは、最小限ならだれでもできるようになっています。あとはもっと効果的なWSになるように学習ツールや学習アプリがどんどん開発され、今やAIも使うようになっているわけです。

★これらのツールは、暗記と思考の両方を補強あるいは開発してくれるので、ALやPBLを実施している教員は、暗記か思考かという二項対立になってはいませんね。

★ですが、何かが物足りないと日々思っていることも一方ではあるのです。

★それは何でしょう。それを考える段階になると、実は問いを生徒が自らつくることの重要性を実感しつつも、なぜ生徒は自ら問いを生むことができるのかと考えたくなります。なぜなら、すべての生徒が問いを立てられるわけではまだないし、その問いの質も生徒によって違いがあります。

★その違いは、生徒の個性でしょうか?

★個性の部分もありますが、問いを生み出す源泉がまだ掘り起こされていないからということもあります。もし掘り起こすことができたなら、みながハッピーになりますよね。

★では、その問いを生み出す源泉はどうやって掘り起こせるのでしょうか?個性はこの源泉がそれぞれ違うからです。掘り起こされていない段階でも、ちょろちょろ生まれていますから、そこを見逃さないようにすることが大切です。どうやって?それが問題ですね(微笑)。

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