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2023年4月27日 (木)

変わる私立中高(12)多様なキャリアデザイン 「多様な思考型中学入試→プロジェクト型成長→多様な大学入試」 思考コードがカギか?

★3月末から4月に入って現在に到るまで、100人以上の首都圏私立中高の先生方や教育関係者の方の話に耳を傾ける機会がありました。また毎月ガッツリ対話をさせていただく先生方も20人ほどいます。東京の私立中高の先生方は18,000人強ですから、公平中立な話であるかどうかわかりませんが、少なくともそれぞれの学校の建学の精神や文化を背負っている先生方ばかりです。私でも20人の先生方には常に対話というよりガッツリ助言を頂けるのですから、おそらく100人の先生方もそうでしょう。そうすると2,000人くらいの先生方の考えや感じ方とシンクロできているのだと推定します。

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★ということで、やはりブログを書き続けなければというミッションが私の中に生まれてしまうのです。おっせっかいなのですが、そこは年寄りということでお許しいただきたいのです。こうやって毎月対話をしていくと、かなりの人数の先生方とシンクロした考え方や感じ方をお伝えできると思うのです。もちろん、違いは大いにありますが、それがまたよいわけです。違いの中にコアの根源的なコトを見出すことができればと。もちろん妄想だといわれるかもしれません(笑)。所詮は主観ですから。しかし、相互主観くらいであってほしいとは思います。

★さて、最近話をしていて、つくづく思うのは、プロジェクト型の学びやワークショップ(WS)は、多くの先生が自分のスタイルを身に付けているということです。しかも、それを探究の時間のみならず、教科の授業に織り込んでいるという実感を抱いています。

★もちろん、一方で従来の受験勉強も織り込むわけです。したがって、上記のグラフのようにプロジェクト型の学びだけとか受験勉強型の学びだけという極端な話はなくなってきているなあと感じます。

★同時に中学入試も、思考力ベースや英語ベースの新タイプ入試も当たり前のようになってきましたし、何より4科目の試験の中にも必ず思考型問題が出題されるようになっています。したがって、全体として多様な思考型中学入試になっていると感じます。大学入試は必ずしもすべてが思考型入試となっているわけではありませんが、国公立大学の一般選抜や各大学の総合型選抜は、思考型入試問題になっています。

★それゆえ、高大接続改革や新学習指導要領がどうのこうのという必要もなく、時代のキャリアデザインは、「多様な思考型中学入試→プロジェクト型成長→多様な大学入試」という連続体になっているのではないかと思います。

★これを前提に各学校の特色や魅力は何かを考えていけばよいですね。とはいえ、入試に関しては、入試問題を見ればその特色は一目瞭然ですが、プロジェクト型成長に関しては可視化されにくいので、やはり各学年の成長をなんらかの基準=コンセプトレンズで観る必要があります。おそらくプロジェクト型成長と受験勉強型成長は、そのバランスや比率、化合型か混合型かで、上記のグラフにおける曲線の描き方は変わるでしょう。

★ルーブリックでもよいし、コンピテンシーリサーチでもよいのですが、ちょっと大掛かりなので、コンビニエンスなのは思考コードです。これについては、和洋九段女子のプロジェクト型成長で述べていますから、もしよかったら参考にしてください。

★中央大学附属中高でも、思考コードと親和性があるコンピテンシーを計測するリサーチを本格的に行っています。おそらく、多くの学校で観点別評価の創意工夫をしてきます。そうなるとそれぞれ違うけれど、同じ点があるということを見出す通訳可能性のあるレンズがあると便利ですね。そのカギが思考コードだと思っています。

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