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2023年4月25日 (火)

変わる私立中高(10)健康の考え方の変化がウェルビイングの考え方の変化も意味する それに伴い学校も学びも変わる

★當仲香さんの論文「健康の考え方の変遷とこれからの保健指導 Changes in concept of health and new development of health consultation 慶應保健研究,36( 1),073 - 077,2018」によると、1998年ころから、1946年に誕生したWHOの健康概念の変化が議論されていました。

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(當仲香さんの図を私なりに変えました。共通する部分を「健康」ではなく「ウェルビーイング」に置換えました)

★1946年当初、WHO憲章は、健康は、身体的、精神的、社会的な3つの要素が統合されて循環される良い状況であるとしていましたが、それだけでは、健康とはいえないのではないか。つまりウェルビーイングと言えないのではないかという議論が1998年ころから始まったというのです。ここの詳しい経緯については當仲香さんの論文を読んでいただきたいのですが、要は、主観的な個人的な想いというものは、その3つだけでは、必ずしも満たされないのだと。

★それは、今回のパンデミックやウクライナ問題や気候変動による自然災害に被る私たち一人ひとりのダメージを振り返ればわかります。

★そこで、スピリチュアリティという要素が加わり、4つの健康要素が相互に関係し合い循環して善き状況を生み出すのが健康であり、それはウェルビーイングであると。

★この4つの要素は、當仲香さんが論文を執筆した当時は、まだ提案レベルでしたが、2021年12月にジュネーブウェルビーイング憲章では、認められています。

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★パンデミック以降、ウェルビーイングは、名詞として前面にでてきている背景には、このような国際的な動きがあります。この話は、一見個人としての身体的な健康、精神的な健康、社会的、特に人間関係的な健康、個人としての超自然的感覚としてのスピリチュアリティのように見えますが、実はあらゆるモノやコトはうながっているのですから、身体的なものは自然に、社会的なものは、社会そのものに、精神的なものも個人を超えた精神に、スピリチュアリティは超自然的なものとして宇宙に置換えることができます。

★健康概念の変化は、学びや学校のみならず、人間の存在のあり方も変え、新たなウェルビーイングデザインが求められるようになるでしょう。

★またまた本間の妄想だよおっと思われるでしょう。確かにそうなのですが、私自身はクリエイティビティはないので、いろいろな人の考えを結び付けることしかできません。この考えも、バックミンスター・フラーが着想した「宇宙船地球号」(1963年に執筆)の影響を受けています。

★おりしも宇宙ゴミの問題は喫緊の課題で、SDGsの問題の範囲も宇宙規模に拡大しているのですから、このような発想の拡張はありかなあと思うわけです。そして、それに伴い、初等中等教育の学習指導要領は変わらざるを得ないでしょう。もちろん、すでに文科省と内閣府はムーンショット目標に向けてそれに紐づけるように動いているでしょうが、できるならば、ただ接ぎ木するのではなく、化合して時間的制約を解放して欲しいものです。ムーンショット目標1には時空を超えるとあるわけですから。

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