変わる私立中高(11)和洋九段女子の生徒のプロジェクト型成長
★先週金曜日、GWE(GLICC Weekly EDU 第125回「和洋九段女子ーThink Globally Act Locallyで生まれる生徒の主体性と協働性ー」)で和洋九段女子の先生方から同校のPBLの環境が生み出す生徒の成長曲線のお話をお聴きしました。その成長曲線は、発達心理学に基づく成長曲線というよりは、プロジェクトで生徒が成長していくそのプロセスの曲線を描いているとして、その和洋九段女子の生徒のみなさんの成長を、私が勝手に「プロジェクト型成長」と呼ぼうと本ブログで書きました。そんな折、トランジション教育や今回のプロジェクト型成長、要するに21世紀型教育における成長を果たしているスーパーロールモデルの1人として高校卒業後も対話を続けてもらっている仲野想太郎さん(成城大学3年生)からメールが届きました。
★仲野さんが、GWEの同上の動画を見たわけではないのでしょうが、自身が属しているゼミの境新一教授が和洋九段女子の高1の長野プログラムと高大連携しているという記事を知らせてくれたのです。それは上記の成長曲線の図の中の高1の「地方創生」のことだと思います。仲野さんは、その境ゼミでゼミ長を担っているので、私が和洋九段女子の記事を書いているのを知っていて、知らせてくれました。
※参照)GLICC Weekly EDU 第47回「総合型選抜と中高の学びの重要性ー自己変容型知性を育てる工学院附属中高ー仲野想太郎さん(成城大学1年生)との対話」
★仲野さんは高校時代、21世紀型教育を推進している工学院大学附属中学校高等学校で学びました。同校が21世紀型教育を本格的に開始した初年度に入学していますし、世の中に21世紀型教育が本格化した時期と重なります。したがって、21世紀型教育1期生なのです。そして、総合型選抜で進路を歩んでいます。ですから、プロジェクト型探究を6年間続け、進路もやはりプロジェクト型入試ともいうべき総合型選抜を選択しています。さらに、大学に入っても仲間と起業したり、成城学園経済学部のプロジェクト型活動がベースの境新一ゼミでゼミ長として活躍しているわけです。
★ある意味、プロジェクト型成長を果たしいるというか今も現在進行形です。そして、非常に興味深いのは、仲野さんの大先輩でお互いに会ったことがないはずの外資系コンサルト会社で活躍している成城大学OBの髙木生太さんも境新一ゼミで学んでいました。GWEにも出演してもらっています。髙木さんは、成城学園中高大を包括したプロジェクトを立ち上げてプロジェクトリーダーも務めています。同学園の青柳先生とコラボしてプログラムを実施ています。そこで、その斬新なプロジェクトの話をGWE(GLICC Weekly EDU 第107回「成城学園の中高大連携プログラムー卒業生と生徒と教員のネットワーク」)でお聞きしたのです。
★私はお会いしたことがないのですが、境教授が、和洋九段女子、仲野さん、髙木さんをつないでいるわけです。そしてそれはプロジェクト型探究ともいうべき学びがニューコモンズ(新次元共有地)なわけです。
★同校サイトの記事によると、境教授は、和洋九段女子の高1の長野研修当日もファシリテーターとして参加していますし、事前学習で「プロデューサーの役割と思考法」について出張講義まで行っています。まさにプロジェクト型探究を想定した事前学習だったのだと思います。
★この発想法は、当然ゼミ生も共有しているでしょう。
★和洋九段女子は、PBLベースに実は多くの方々とつながって豊かな学びの時空を創っています。長野研修も飯綱・芋井の市民と成城大学の境教授が連携しているわけです。
★同校の卒業生はプロジェクト型成長をしているし、仲野さんや髙木さんも同様です。そこに境教授の存在が共通しているのです。同校はこのような仕掛けをしているため、自らをコネクティドスクールと呼んでいますが、これは、このようなPBL型学びが重要なアウトカムを生み出すことを証明している1つの大きな事例だと思います。
★それにしても学校を越境して都市や大学などとつながるには、ニューコモンズであるPBL型探究ベースが必要であるということを改めて実感しました。仲野さんいつもありがとうございます!
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