変わる私立中高(09)学校の問題解決姿勢と学びの問題解決姿勢の関係性 共創情報の発信へ
★予測不能な時代である、かどうかにかかわらず、私たちの周りには問題がないということはありません。生きている限り問題が起こり、それを解決しながらウェルビーイングをその都度持続可能にしていくわけです。学校も同じです。改革と標榜すれば、様々な問題が生まれます。生徒にとっての学びも同様です。学力を向上させたいとか自分を変えたいと思った瞬間に問題が立ち上がるでしょう。
★問いづくりは、組織の何かを変えようとか、自分の何かを変えよと思ったときに、自ずと生まれてくるものですね。変えようと思うまでは、気づかないでいたものが、顕在化されるということは多くの人が経験済みでしょう。体験学習とは、実は物事や人生を変えようとするときに生まれる問いへの対応のシミュレーションであるということかもしれません。
★さて、その生まれてきた問題をどのような姿勢で解決するのがよいでしょう。言うまでもなく、根本的問題解決の姿勢がよいわけですが、その枠組みはどうでしょう。今までの組織や自分のルーティンという規則やルールを乱さないように、その枠内で自由(「規制的自由」と呼んでおきましょう)な発想で解決しようとするのか、その枠組さえ変えてもよいという自由(「解放的自由」と呼んでおきましょう)な姿勢で臨むのか。
★後者はなかなか難しいのが現実ですね。それより前者は現実的でしょう。上記の「問題解決に臨む姿勢の座標」でいけば、第Ⅱ象限になるのが現実的なのかもしれません。
★しかし、学びの場合は、第Ⅰ象限のポジショニングが必要になってきます。しかし、もし学校の雰囲気が第Ⅱ象限だと、生徒の学びや着想にブレーキをかけることに無意識のうちになることが多いですね。生徒に対し、失敗は大いにしなさいと言っていながら、もう一方でもっと現実的な解決を提案しなさいと、失敗の修正の結果、着想が縮小するわけです。
★さらに、本当のところ、現実は対症療法に迫られるのが常です。とにかく今何とかしなくてはならないという対症療法のときは、規制的自由のポジショニングで立ち臨むことが多いでしょう。もし対症療法を解放的自由のポジショニングで行ったとしたら、失敗する場合が多いでしょう。ところが、それが閃きになる場合もあります。結果的に根源的問題に行き着き、解放的自由のポジショニングにシフトする場合もあるでしょう。
★したがって、実は、問題解決の姿勢は、どれがよいかという固定的なものではなく、第Ⅰ現象のポジショニングにたどりつくまで、他の象限のポジショニングをミックスして戦略を考案する必要があるわけです。
★第Ⅱ現象にこだわれば、それは意志を貫いているように見えますが、頑迷固陋のトラディショナルあるいはコンサバ的雰囲気を生み出します。第Ⅲ現象にこだわれば、表層的な雰囲気が漂います。第Ⅳ象限にこだわれば、ギャンブル的な姿勢に見えるでしょう。かといって、第Ⅰ象限だけにこだわれば、革命的な雰囲気立ち上がってしまいます。
★学びに探究が入ってきたことは、教師にとって、相対的に対症療法的授業と根源的問題解決的授業の両方を循環させることができると考えることもできます。それは生徒にとっても同様です。もちろん、探究の時間も、調べ学習で終わってしまえば、第Ⅲ象限での学びになってしまいますが。
★先生どうしが対話する時、先生と生徒が対話する時、互いにいまここで置かれているポジショニングをメタ認知し、そのポジショニングをシフトしたいかどうか、シフトしたいという気持ちに気づくかどうかなど気遣う必要があります。
★それができる学校の雰囲気か、それができる生徒の雰囲気かどうか?雰囲気を創るのは、もちろんどちらも教職員の教育環境デザインの感性と技術とアイデアにかかっています。もし生徒が独自にできるのであれば、それはそれでよいのですが、学校は不要になるかもしれませんね。
★かといって、教師がデザインしなければ、生徒が動けないというのなら、結局規制的自由の枠内から出られないでしょう。
★そこで、よく言われている共創という了解が学校には必要になってきます。問題解決の姿勢によって、学校と学び、教師と生徒の関係に違いがでてくるわけです。
★受験生の保護者は、上の座標のような視座を意識しなくとも、結局、教師と生徒の関係を見れば、つまり共創か、教師主導か、生徒放任状態かなどの違いによって、学校の雰囲気が違うのは、説明会などに参加するとすぐに感じることができるわけです。しかし、すべての学校を視ることができるわけではないので、情報収集する時に、上記の座標のような視座(レンズ)は役立つかもしれません。
★学校のホームページやSNSを見ると、最近では共創の活動を行っている情報を発信しているところが増えてきました。変わるぞと勇ましくアテンションをあげなくても、「共創情報」を発信できる現実(実存)が、私立中高の教育の質をさらに変えていくでしょう。希望は常に幸せの青い鳥なのです。
★受験市場はアピール情報を望みますが、入試市場は幸せの青い鳥情報を重視します。どちらがよいのかではなく、それぞれの市場の特徴を考えたうえで、情報を収集できるとよいですね。
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