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2023年3月14日 (火)

2023年大学入試(06)東大合格者数ランキング50位までの学校をみてわかること

★サンデー毎日の2023年3月26日号の恒例の東大合格者数ランキングから50位までを抽出してみました。これはいったい何を示しているのでしょうか?

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★上記の表に掲載されている50位までの学校だけで、1,769人です。前期試験の合格者は2,997人に対して、59.0%シェアです。全国の高等学校の数は、5,116校です。1%の学校で、約6割の東大合格者数を出しているということです。

★このことをすごいと一般には思うのでしょうが、もしこの1%が超富裕層に重なるというのなら、また別でしょうが、そうではないのですから、ただ東大に入るためだけに、受験勉強をするのは、あまり意味がないでしょう。

★挑戦する選択肢がないならまだしも、世界にはたくさん選択肢があります。ですから、進学したい人で、無理なく合格できる人は進めばよいし、そうでない人は、東大に入るためだけにがんばるのは、あまりハッピーではないですね。

★どのみち自分の興味と関心を深めてオリジンリティがあれば、どこの大学でも同じです。東大に行きたければ、大学院で東大にいけばよいわけで、いわゆる受験勉強のみに時間を費やすのは、得策ではないと思います。

★東大がどうのこうのではなく、この確率の低さに挑戦するには、それ相当の理由が必要だということです。

★その必要性が、野心的なものであっても、全く問題がありません。でも、東大でなければ達成できない野心は、今日あるでしょうか。将来絶対に財務事務次官になりたいというのであれば、おそらく東大に入る必要性はかなり高いですが、それ以外は、今や東大でなければ乗り越えられない野心はないでしょう。本人次第です。

★それなのに、実際には、東大合格のために費やす受験勉強が無駄と思える生徒がたくさんいます。合格者人数は、高校卒業生全体の0.3%です。そんなに苦労しなくても、東大の前期試験のような問題が解けてしまう生徒に東大は任せて、かなり難しいという生徒は、さっさと違う選択肢を探せばよいのではと思います。

★東大に行けそうな人は行けばよいけれど、そうでない場合は、別の選択肢を探しましょう。受験にクリエイティブテンションを高めるのはよいですが、無理なストレスは、どうなんでしょう。

★こんな考えだと、日本の国が滅んでしまうという方もいるかもしれません。でも、ちょっと考えれば、日本の国や世界は、東大受験勉強で動いているわけでもなんでもないでしょう。

★でも、こうしてサンデー毎日を買っている私のような消費者もいるわけですから、東大受験を特別扱いしないと、経済が成立しないということでしょうか。市場の自由ですから、まあよいのですが、違う自由を創るのは、私たちのミッションでもあります。垂直的序列主義を崩していくことの大切さ。この50位までの学校、つまり1%の高校による東大合格者の寡占状態の放置、多様性の排除は、孫たちの未来にとって有益とはあまり思えません。

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