2023ドネラ・プロジェクト(01)今年の入試の特徴から見える2030年以降の通奏低音
★2022年は、主執筆者ドネラ・メドウズの「成長の限界」が出版されて50周年。同書は100年後には地球はどうにかなってしまうと警鐘をならしました。システムダイナミクスの手法で、経済の崩壊と資源の枯渇を多次元・多面的に予測しました。放置していたら2030年にもピークに達するよと。この警鐘が、国連にSDGsにいたるまでの道のりを歩ませたのは言うまでもありません。このことは多くのシンクタンクや省庁で語りつないでいることです。
★ですから、中学入試や大学入試でも、SDGsのみならず、地球規模と地域規模の交差する自然と社会と精神の分断が起きているポイントを問うてくる問題が多かったような気がします。
★人新生に関する問題も、当然環境問題や気候変動がかかわってくるわけですから、ドネラの継承を引き継ぐものです。
★意識しようとしまいと、SDGsや人間の安全保障、WHOの関心、人新生に関する問題を取り扱えば、それはドネラのビジョンを映し出します。ドネラは、だからといって、資本主義をやめようとか、産業活動をやめようなどとはいっていないのです。
★ですから、経産省や農林水産省や環境省や内閣府なども、そして今年の入試もだいたい2030年から2050年の未来の問題、もちろん脅威やリスクを解消するポジティブな問題を扱っているのでしょう。
★成長には限界があるけれど、愛には限界がないとドネラは語るわけですが、そのコンセプトレンズをのぞくと、新たな解決策が見えてくるというわけです。「成長の限界」の中で、ドネラは、私たちにとって必要なことは、次の5つだと語っています。
❶ビジョンを描くこと
❷ネットワークを作ること
➌真実を語ること
❹学ぶこと
➎愛すること
★めちゃくちゃシンプルですが、どれも実践するのは難しいことですね。でも、仲間と行動すればそうでもありません。
★そして、この5つのことをきっちり実践してる学校こそウェルビーイング教育実践校なのです。しかもどんどん増えています。
★無意識のドネラ・プロジェクト。世の中、無意識というと、トラウマとかネガティブなメンタル・モデルに偏りがちですが、ポジティブなドネラ・プロジェクトという普遍的遺伝子が動き始めていると考えてみてもよいのではないか。そう思える2023年の中学入試や大学入試でした。
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