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2023年3月16日 (木)

2023年度東京の高校入試(03)京華女子が注目されることの意味

★2023年度の京華女子の高校入試の出願数は、推薦入試、一般入試の両方ともに前年対比を上回りました。細かく見ると推薦入試の芸術・スポーツ選抜は減少したのですが、それを他の入試がカバーしていますから問題ないのです。普通だったら、この入試を実施しない方向もあるでしょうが、同校はそうしないのです。ここが京華女子の本質的なものを大事にするコアの部分だと思います。

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(写真は同校サイトから)

★同校の探究や言語教科を中心に、生徒1人ひとりの才能と共感力を豊かにしていく実践とその実績が人気の大きな理由です。なぜ豊かになるのかは、あまり広報されていません。緻密な1人ひとりの状況に適合したルーブリックが編集されていて、これをみるとなるほど豊かになると感じるのですが、専門的で膨大な情報が集積しているので、広報活動には適さないと判断されているのでしょう。

★ですから、そこは外から見て見えない部分です。見えない部分こそが実は重要ですが、そのルーブリックが活発な探究活動を生み出し、実績をだしているのですから、あえて見せる必要もないのかもしれません。

★シンプルで美しいあの会社のスマホも、中身は複雑な装置で、それを広報で見せることはないのと同じでしょう。

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(写真は同校サイトから)

★さて、この知恵の教育環境を盛り上げるのが、実は同校のアート活動なのです。たとえば、マーチングバンド部ですが、他校と比べると少人数チームですが、各大会で金賞などを獲得してくる感性溢れるパフォーマンスは有名です。

★日常のアート活動。なかでもマーチングバンドのようにそのアートの練習が、在校生の視覚と聴覚からしみこんでいくのは、気づかないうちに知の覚醒、アイデアの創発がそれぞれの生徒の内なる躍動となります。そのようなエネルギーは、心身に入り込むアートです。

★そのアート活動の使命を全員が持つ必要はありません。少人数でも入学持続可能な状態になっているのがポイントなのです。

★芸術のない知性は脆いものです。知性のない芸術は空虚です。

★京華女子の魅力は、知性と芸術のケミストリーにあると私は個人的に思っています。一般選抜の大学受験勉強の落とし穴はこういうところにあるのですね。京華女子の教育環境がいかに重要か、もっと注目されるとよいですね。

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