2024年高校入試の行方(01)成城学園の魅力
★2023年の成城学園の高校入試は、推薦入試も併願入試もその出願数は前年を上回りました。2回実施した中学入試も同様でした。この人気の秘密は、簡単にいうと、受験生が、同校の伝統と革新の絶妙の統合を感じ、安心と希望と自由への期待値を高めるからでしょう。
(写真は同校サイトから)
★具体的には、たとえば、サイトにこんな記事があるのですが、ここにも伝統と革新の絶妙の統合が映し出されています。その記事は「メディア委員会がSTREAMチャレンジ2023で優秀賞を受賞!」です。ぜひ読んで欲しいです。
★メディア委員会がソフトバンクロボティクス株式会社主催「STREAMチャレンジ2023」に出場し、見事Pepper部門の優秀賞を獲得したわけです。これは何を意味しているのか?まず委員会というコミュニティシップやプロジェクト活動がハイパフォーマンスだということでしょう。これだけで、ワクワクするでしょう。自分の好きなことを実践する場があるし、学内だけの活動ではなく、他流試合に挑戦することもできるのです。同校の場合は、同じような活動が多様にあるのですから、それぞれの受験生にとって期待が高まります。
★そして、そのコンテンツですが、「STREAMチャレンジ」(※)という実に革新的な挑戦です。ワクワクしないわけがありません。次世代を担う人材たちがロボットやAIなどの最先端テクノロジーを活用して社会課題に取り組み、社会実装に挑戦する探究的アクションだということです。素敵ですね。メディア委員会メンバーはPepperを使った「本や雑誌のRe活用」というテーマで課題解決に取り組んだとあります。本とロボティクス。伝統と革新のマッチングです。
※「STREAM」とはSTEAM教育に(Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(数学)Arts(リベラル・アーツ)を統合的に学習する教育)にRobotics(ロボット工学)、Reality(現実性)、Reviewing(評価)の観点を入れ、頭文字のRを加えたものです。(同サイト記事から)
★学校で毎年約300冊も本・雑誌が廃棄されているという課題に目を向けたというところは、普段から探究やアクティブラーニングで、デザイン思考を実施していますから、身近なところにある一見小さな問題からグローバルな問題解決につながる発想<Think global, Act locally>が彷彿としているのが了解できます。
★プロジェクトA(古本の回収)、プロジェクトB(古本市の開催)、プロジェクトC(実施報告と次年度協力のお願い)という3つのプロジェクトを10か月以上かけて実践し、古本回収への興味を喚起させるクイズの出題(プロジェクトA)や古本市当日の呼び込み(プロジェクトB)などプロジェクトごとにPepperのプログラミングを行ったとサイトにはあります。
★本という紙を有効活用することにもなり、SDGsの活動にもつながるし、何より本の文化を継承することにもつながります。本は古くて新しいネットワークを開発する拠点ですから、デジタルの世界になっても重要です。アナログかデジタルか、そんな議論も活動の過程で当然されたでしょう。
★そして、有識者からのフィードバックでは、古本市を開催し売り上げを寄付するという実際の行動につながっている点が評価されたと。社会貢献への寄与度も高いわけです。これはとても大事なことを意味します。自分の好きなこと関心があることを探究活動していくことが、結果的に他者や社会に役に立つと実感した時、自分の存在であるbeingはwell-beingに変容します。
★Z世代は、ウェルビイング経営を行っている会社かどうかチェックするのが65%だと「学情」がデータ分析しているわけですが、それは学校選びも同じだと思います。
★成城学園のこのウェルビーイング教育は、メディア委員会にとどまらずあらゆる同校の活動に浸透しているのです。
参考)同窓生が語る成城学園の魅力→<GLICC Weekly EDU 第107回「成城学園の中高大連携プログラムー卒業生と生徒と教員のネットワーク」>
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