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2023年3月28日 (火)

2024年中学入試の行方(13)高輪中高 北マケドニア共和国大使館と学ぶ

★2023年2月7日東京新聞に高輪中学校高等学校(以降「高輪」)の小さくて大きな活躍をする同好会の記事が掲載されていました。「港区の高輪高、東欧の小国学ぶ「唯一」の部活 僕らマケドニア同好会! 言語、文化… 大使と交流も」がそれです。きっかけは、コロナ禍のオンライン英会話授業。同記事によると「英語が母国語ではない講師を選ぶとマケドニア人に当たることがあり、その講師たちはみな親切だった。彼らの言動からマケドニアに興味を持った青山先生と生徒有志がサークル活動を始めた。」とあります。北マケドニアの文化からマケドニア語を学ぶまでになっているのです。多様性とは言うは易し行うは難しで、ここまで発展するのは破格でしょう。

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大使館に北マケドニア料理を招待されたことを契機に、準備として行ったお区別課外授業のシーン。

★そして、重要ポイントは、英語という教科の授業から派生して、いわば探究活動に発展している格好のケースだということです。そもそも高輪の授業というのはそういう広がりをもっているのだということも推察できます。教科か探究かという話はよく話題にのぼりますが、勉強とか学びとかは、もともとこういう広がりをもっているもので、ことさら「探究」を持ち出す必要はないわけです。

★しかし、そうしないと広がりのない受験勉強に特殊化した授業が展開されるケースが多くなってしまったので、それを改革するために、文科省が探究パッケージを持ち出してきたということもあるかもしれません。

★もしかしたら、授業の中で探究的な広がりを持てるのなら、もっともシンプルでパワフルなわけですが、それができる教員が少なくなってきているので、半ば養成ギブス的に、装着したということなのかもしれません。

★逆に言えば、このような授業即探究という活動ができる教員がたくさんいるのが高輪ということなのでしょう。

★そして、そのような教員がいるからこそ、「探究」を学習指導要領で単位として設定されたとしても、それはますます生きてくるのです。要するに教員の力量次第です。

★そうであれば、学内の雰囲気はとてもよいですね。上記の生徒が作成した動画を見ても、それは明白です。

★雰囲気がよいというのはウェルビーイングな教育が浸透しているということです。

★たしかに、高輪の中学入試の総出願数は1974名で、前年対比119%(首都圏模試「出願倍率速報」2023年2月6日)です。このような雰囲気の結果、進学実績も凄まじい。そして、このような活動は、当然、大学入学後も同じようなアクションにつながっていくでしょう(トランジション)。高輪の人気の理由はこういうところにもあるのでしょう。

★そうそう、ここでも英語とICTはカップリングされていますね。教員の力量にこのカップリングスキルは必須ということなのかもしれません。

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