2023年度東京の高校入試(02)推薦入試を実施しない開成とかえつ有明
★東京の高校入試は、一般的には、推薦と併願(一般入試)の両方を行いますが、開成とかえつ有明は、一般入試しか行いません。開成の場合は、募集定員100名のところ毎年5倍は超えることが多いですね。推薦入試をしなくても、一般入試という高校入試においても市場の原理が働く領域で十分に定員を確保できるからです。一方かえつ有明は、一般入試の募集定員は30名で、国際生入試は10名です。中学入試が高人気の学校ですから、口コミで集まってきます。受験市場の競争原理ではなく、ウェルビーイングな学びや人間関係や利他主義的プロジェクト活動のネットワークの中で評判が浸透しています。
(写真は同校サイトから)
★大学受験知識ではなく、国際的知性の拠点のケンブリッジ原体験から始まる高校新クラス。8年目にして、推薦入試をやめて、一般入試一本にしました。そして、2023年度の出願数は、国際生入試同様上回ったのです。
★多くの大学受験生に総合型選抜のチャンスが開かれた今、探究やプロジェクト、アントレプレナーシップ、海外での活躍土壌、対話中心の学びなどなど世界標準でケンブリッジやIB、MITなどの様々な教育セオリーを先生方自身が生徒と共に学びながら独自のそれいて世界に通じる教育環境をデザインしていますから、同校は得難い高校生活の場となっているのです。
★同校の一般入試はチームビルディングができる可能性、自分とは何かの「現時点での自己への気づき」をプレゼンする入試ですから、この段階から総合型選抜にも十分に通用する素養を準備することになります。
★推薦入試は、競争原理が働く学校以外は、多くの場合、合格する可能性が高いのです。それが一般入試との決定的な違いです。東京の中学入試ではない制度です。その他の地域では採用されたりもしていますが。大学入試には指定校推薦というのがあって、これもよほどのことがない限り合格できないということはありません。
★かえつ有明は、その制度を使わないわけです。中学である程度教育経営基盤ができているので、本当にかえつ有明の教育を受け入れる生徒に入学してもらいたいという意志がメッセージです。
★そのような学校と生徒の意志が合力になるわけですから、高校新クラスの成長ぶりは、頻繁にメディアでも取り上げられています。
★もちろん、中学から入学している生徒は、高校新クラスで行うことをすでに3年間かけて成長してきていますから、その相乗効果は凄まじいのです。
★それに加えて全体の25%は国際生ですから、中学入学カテゴリーと高校新クラスカテゴリーと国際生カテゴリーの生み出すケミストリーは、生徒のインスピレーションやアイデアのインスパイアーを創発します。そのエネルギーは凄まじいのです。
★開成に行って東大や海外大学をはじめ、名だたる有名大学に進むのも良し、かえつ有明に行って、自分の研究したい探究したい学部学科プロジェクトがある大学が東大の場合もあるし海外の大学の場合もあるし、その他の名だたる大学である場合もあるし、そこが目標ではなく、自己変容物語のプロセスを優先して進路選択するもよし。
★いわゆる偏差値が高い高校受験生の中に、開成かかえつ有明かそれが問題だという問いを投げかける時代がやってきたということは、高校入試において小さなそして大きな地殻変動が起き始めているのではないでしょうか。
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