2023年首都圏中学入試動向(26)首都圏模試センター 栄光の算数の入試問題の思考コード分析 栄光の頭脳と感性が見える
★首都圏模試センターは。今年の栄光学園の算数の入試問題の思考コード分析を公開しています。思考コード分析をすることにより、分野の割合とか難易度分布以外に読み取れるものがあります。つまり思考コードを活用しないとそれはできないのです。それは何かというと、その学校の先生が思考の過程のタイプとそこにアプローチする時の感性というか感情が見え隠れしてくるのです。もちろん、定量的というより定性的な分析視点がはいってくるので、同センターの教務陣のように長年思考コード分析に熟達していないとなかなか難しいかもしれません。
★詳しくは、同センターのサイトを読んで欲しいのですが、リード文だけでも栄光学園の教師の頭脳と感性を感じ取れます。そして、この問題をクリアする受験生の頭脳と感性も教師とシンクロするわけです。アドミッションポリシーとかいうことなのですが、それにしても入学する際にすでに栄光学園独自の診断評価がなされているわけです。緻密ですね。
★A軸問題が少ないので、公式や解き方を当てはめて解いていく演繹的推理は、基本的なことができればあとは入学してからという教師陣の感性を感じますね。
★そして、具体的状況の変化を丁寧に追いながら最終的に一般化していく思考のタイプは、B軸思考の1つの特徴ですから、これが90%以上出題ということは、一般の受験生には、なるほど「重たい問題」です。
★しかし、この問題をクリアして入学している栄光学園の生徒は、帰納的推理という理数的なタフなGRIT精神に優れているということでしょう。そのことは経験的に了解できます。
★この思考過程のタイプは、栄光の場合は他教科でも同様です。
★そして、B3問題においては、実は解き方の見通しを立てる際に、いろいろ迷ったり試行錯誤しようというよりは、多角的に推理してほぼ見通しが立つ仮説的推理を行わないと時間内に解くのは無理でしょう。この仮説的推理はC軸思考過程の特徴の一つです。
★ただ、入試問題の解答を作成する場合は、そこは織り込み済みというか前提として処理されるので、創造的な数学的発想は隠れてしまっています。
★栄光の問題は、ふだん取り組むとき、この数学的発想を楽しむトレーニングが必要ですね。
★そして、これこそが探究の肝であることも。A1・2・3,B1・2では、調べ学習とか課題提示型小論文をクリアすることはできますが、探究には飛躍できないのです。
★ですから、中学に入学しても、教師の頭脳と感性が栄光の教師陣のような頭脳と感性にないと、高校卒業時でも探究という時間はやってはいるけれど、その中身は調べ学習で終わるということはしばしばです。
★探究で大事なことは、思考過程のタイプがC軸思考でないとなかなかうまくいかないということですね。しかし、もし教師陣がA1・A2・A3・B1・B2の思考コード眼鏡しか装着していないと、数学的発想の必要性などそもそも見えないのです。
★偏差値にかかわりなく、新タイプ入試を行っている学校は、教師陣はC軸眼鏡を持っているけれど、受験生がその眼鏡を装着していない場合があり、一般選抜では、どうしても思考コードの領域が狭いところで問題を出さざるを得ません。そこで、新タイプ入試です。C軸思考を展開できる素養があるかどうかをみるわけです。今持っていなくても、6年間で持てるかどうかを判断するわけですね。
★このような学校は、事前に対策セミナーを数回やりますから、実はそれに参加することにより、C軸眼鏡を装着するようになるわけです。経営の倫理と教育の論理のバランス上、そのような戦略を立てているのです。
★こんなことまで、了解できるのが首都圏模試センターの思考コード分析です。日本の将来に目を向けると、ここに希望がすでにあるのは了解できると思います。
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