2023年首都圏中学入試動向(14)筑駒と工学院 もうひとつの工学院の人気の理由
★首都圏模試センターの出願倍率速報(2023年1月30日)によると、今年の筑駒の出願数の前年対比は、108.9%です。併願校としては、開成、駒東、麻布、海城①が多いはずなので、これらの学校の出願数の前年対比もみてみましょう。
(2019年の筑駒乳牛風景)
2023 2022 前年対比
筑駒 627 576 108.9%
開成 1289 1206 106.9%
駒東 611 565 108.1%
麻布 918 934 98.3%
海城 602 545 110.5%
★開成、駒東も増えているので、その影響は大でしょう。麻布は横ばいなのですが、海城①が増えていますね。もしかしたら、海城の併願者も増えているのかもしれません。
★たしかに、これらの学校は教育産業によって、垂直的序列を生み出すことになってしまっていますが、学校自体の校風は、それと混同しない方がよいでしょう。これらの学校から正しいエリートが生まれてくれることは日本にとって大切です。
★ところで、工学院も好調なのですが、その人気は、前校長の平方先生がグローバル教育を拓き、現校長の中野先生がデジタルによるイノベーティブ教育、理系教育をさらに進化させているところにあると思います。
★しかし、1997年から10年校長を務めた城戸先生による偉業は大きいと思います。城戸校長は実は筑駒の副校長を定年退職してから工学院の校長に就任したのです。開成とか麻布がそうなように、これらの学校は、校長が退職して次の学校に就任したとき、その松明を新しい学校に継承するものです。
★城戸先生もそうでした。共学校にしたのも城戸校長でしたが、何より筑駒の校訓である「挑戦・創造・貢献」を工学院の新しい校訓と位置付けたのです。工学院には、私立大学で工学系の大学第一号という日本の工学に多大なる貢献をしています。その魂は今も中高に継承され、さらに筑駒のマインドも継承されています。そしてグローバルとICTと伝統と革新を統合しているわけです。
★私自身が教育研究所を創って私立学校研究家としてスタートした時期に、薫陶を受けたのが城戸先生で、工学院にはそのときの盟友岡部氏とよく訪れたものでした。
★その岡部氏は、今では、工学院の英語の教員です。知恵者なので、城戸先生がそのころから誘ったものですが、まさか本当にそうなるとは!驚きです。平方先生時代に21世紀型教育改革を行うというので、赴任したようです。きっと同じ英語科でもある教務主任の田中歩先生とよきシナジー効果を出しているでしょう。
★工学院の生徒が、「挑戦・創造・貢献」の大活躍をしているのは、同校のサイトを見れば明らかです。
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