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2023年1月22日 (日)

2023年首都圏中学入試動向(07)和洋九段女子 小さくて大きな動き

★和洋九段女子の帰国生入試の出願数の前年対比は300%。出願数自体は、6人(前年2人)で、少ないように感じる人もいるかもしれません。しかし、一般入試(2月1日以降)の受験生が約50,000人なのに対して、東京の帰国生受験生は約900人です。6人というのは決して少なくないのです。

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★大事なことは、前年対比が300%ということです。このことは何を意味するのか。それは帰国生が和洋九段女子を見つけ始めたということなのです。

★和洋九段女子の教育が帰国生にとって居心地が良い環境であることが伝わり始めたということなのです。たとえば、和洋九段女子のPBL入試(SDGs型)などは、教師と生徒がいっしょになって作っています(動画参照)。

★このような生徒がいっしょに学校づくりに参加できるという雰囲気は、帰国生は共感するものです。フリーで、フェアーで、フラットで、それでいてフラタニティ―がいっぱいという雰囲気は何より大切なのです。

★もちろん、これは国内生にとっても同じはずです。ところが、実際には、国内ではまだまだ、学校は校則が厳しかったり、ランキングや序列競争に疑問を持たれなかったり、様々な問題があるにもかかわらず、なかなかみな感じなくなっています。

★しかし、最近の帰国生の多くは、そのことに敏感に反応するのです。かつては、英語を話すと、ひかれるなんて現象もあったりして、「帰国生外来」などという帰国生の心の痛みのカウンセリングがメディアで取り上げられたことも多かったのです。

★ところが、最近では、私立中高一貫校のグローバルな意識が高まり、帰国生にとって過ごしやすい環境ができつつあります。

★その環境の一番大事なところは、ディスカッションやオープンダイアローグがあることです。それに言うまでもなく主体的関係性がある環境ですね。そして、このような環境があると国内生もまた、世界に通じる思考力と行動力を身に付けられます。

★和洋九段女子の生徒のSDGsに対する取り組みは、その仕組みを知るだけではなく、自分たちにできることは何かを話し合い、行動に移すところまで実施されているのです。そして、その過程で多くの外部ネットワークと結び付き、SDGsへのアクションを共に行っていくインパクトを与えているのです。

★もちろん、タイをはじめ多くの海外の同年代の生徒と交流もします。高大連携でフィールドワークにも繰り出します。要するに年中行事以外に多様なアクティビティが生まれています。

★そんなことが和洋九段女子の生徒にとっては、当たり前なわけですが、帰国生が外から色々な学校を視て比較した場合、とても得難い環境のように見えるわけです。

★とはいえ、和洋九段女子は海外にまで出張して帰国生に説明会活動を頻繁に行っているわけではないので、かなりアクティブな帰国生でなければ、和洋九段女子の帰国生入試にたどりつかないということもあるでしょう。

★だからこそ、前年対比300%は小さくて大きな動きを示しているのです。今後が楽しみです。

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