パウロのクリエイティブダイアローグ 父母の会のワークショップで
★先日父母の会の方と「パウロの対話について」というテーマでワークショップ(WS)を行いました。2カ月ごとに父母の会があります。父母の会の始まる前90分間、毎回テーマを変えてワークショップを行ってきました。毎回順番で9人から12人が順番に参加します。お忙しい中、毎回盛り上げていただいて大感謝です。今回が今年度最後でした。パウロの教育で大事にしているものの1つ黄金律をコアに愛と創造が生徒の内面から湧き出る対話について行いました。
★WSのメインは「ぐるぐるトーク」です。9人が輪になってすわり、クロス・クエスチョン(多角的な発想が生まれる問い)のうち、今回は、ブラックボックス問題(得体のしれない未知のものを提示)で、感じたことや思いついたこと考えたことをどんどん話していくのです。
★ブラックボックス問題は感じたことや認識したことを直接問うダイレクトクエスチョンとぐるぐる順番に話している様子から感じたことや気づいたことは何かを問うモニタリングクエスチョンの2つのタイプがあります。
★また、ぐるぐるトークの中で、共通して関心のあることについて、この2種類の問いをまたぐるぐるするなど、ずっと続けていくわけです。
★親と子の対話については、参加者みな体験していることです。ですが、同じような体験なのに参加者それぞれ違う感じ方や考え方を知り、結構サプライズです。
★パウロの教育では、体験を大事にしています。生徒は同じ体験をしても、みなそれぞれ違います。その違いを対話することで、また新しいものの見方や感じ方、考え方を発見したりします。
★今回のワークショップは、生徒と同じ感覚をもっていただき、それがパウロの対話教育だという実感をシェアすることが目的でした。それぞれが新しいものの見方や感じ方考えかたを生み続ける、共有し続ける中で、クリエイティビティがぱっと広がるという体験でした。
★そして、3人ずつに分かれて、対話をします。そのとき、なんらかの道具を用意します。レゴとか粘土とかポストイットとかいろいろですが、今回はカードにしました。もっとも、父母の会のWSでは、各種カードを使う場合が多かったですね。
★そうそう、それからぐるぐるトークのときに、今回は保護者の方の話に対応する生徒のエピソードをこまめに挟みました。解決策とかではなく、エピソードはそれぞれの参加者が自身で考えるきっかけとしてリアリティがあるからです。
★そのようなぐるぐるトークの後、今回は「オープンダイアローグ」という痛みや病を解消する時の対話のコツ30が書かれているカードを使いました。
★ぐるぐるトークで体験した対話を、理屈という視点で眺めてみるセッションです。そして、時間があれば、もう一度ブラックボックス問題で、新たな理解が生まれることを再体験していただきたかったのですが、時間が足りませんでした。しかし、新たな理解ができていることは、チームの対話の時にすでに生まれていましたからある程度目的は達成されたと思います。
★このオープンダイアローグという心の痛みを解消する方法は、ふだんの対話にも重なります。私たちは、程度の差はあれ、みな何らかの痛みを持っています。完全な解決はできませんが、一時的に解消することはできます。ですから、オープンダイアローグ、私はむしろクリエイティブダイアローグだと思うのですが、このような対話を持続可能にし得るチームや組織を創っていくことが大事で、そのためには父母の会の方々の協力が欠かせないのです。
★オープンでクリエイティブなダイアローグは、フリー、フラット、フェアー、フラタニティーな雰囲気をつくれるチームや組織にすることです。そんなことを言えるパウロの先生方の対話力に感謝です。
| 固定リンク
「PBL」カテゴリの記事
- 2024年中学入試の行方(14)湘南白百合 授業即探究 探究即授業(2023.03.28)
- GLICC Weekly EDU 第121回「グローバルアドミッションの時代ー英語学位プログラムとはー」鈴木氏の目からウロコの視点 気づいた人の未来が開く チャットGPTとの対話(2023.03.27)
- 2024年高校入試の行方(01)成城学園の魅力(2023.03.24)
- 2024年大学入試(01)「女子枠」が示唆するコト(2023.03.22)
- 2024年中学入試の行方(13)5月21日 東京私立中学DISCOVER私立一貫教育合同相談会(2023.03.21)
「高校入試」カテゴリの記事
- 2024年高校入試の行方(01)成城学園の魅力(2023.03.24)
- 2024年大学入試(01)「女子枠」が示唆するコト(2023.03.22)
- GLICC Weekly EDU 第120回「聖学院ー『創造と貢献』が切り拓く未来」 児浦先生聖学院の豊かな教育の質をしみじみ語る(2023.03.19)
- 2023年度東京の高校入試(04)国学院久我山 生徒が新しいイメージを生み出す(2023.03.17)
- 2023年度東京の高校入試(03)京華女子が注目されることの意味(2023.03.16)
「聖パウロ学園」カテゴリの記事
- パウロモデル(01)2022年度最終理事会 パウロモデルを共有(2023.03.26)
- ケアの時代(01)ケアの視座(2023.03.14)
- 通信制高校の卒業式の局面で贈る言葉 全日との差異に根源的社会の問題があらわれる(2023.03.09)
- 高校現場の2月・3月 卒業式、入学式、外部研修旅行などを通じて、目標到達度と改善と次年度・中期アクションプランを集約するシーズン(2023.03.05)
- 2023年大学入試(02)偏差値ランキングだけではなく入試問題についてメディアが取り上げる時代 思考力の時代ですね。(2023.02.26)
最近のコメント