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2022年11月18日 (金)

2023中学入試の役割 ソーシャルジャスティスを求めて(03)港区広尾学園の衝撃がもたらしたこと

★港区は、千代田区に次いで公立中学対比で私立中学の在籍者数が多い都市です(前回の表参照)。そして、2008年ころからこのエリアは私立中学が多いだけではなく、先進的な教育を実施する私立中学校の集積地となりました。もともと女子校だった順心女子が、共学化して「広尾学園」と名称を変更、コンピューターサイエンスとグローバル教育に破格の力を注ぎ、みるみるうちに偏差値もあがり、大学進学実績も激増、なんといっても海外大学合格実績の圧倒的な数は、他の追随を許しません。

★港区には、次のような私立中高一貫校があります。

麻布中学校
慶應義塾中等部
芝中学校
頌栄女子学院中学校
聖心女子学院中等科
高輪中学校
芝国際学園中学校
東海大学付属高輪台高等学校中等部
東洋英和女学院中学部
広尾学園中学校
普連土学園中学校
山脇学園中学校 

★こうして眺めると、どの学校もユニークで、独自の良質の質を有し、視野が世界に宇宙に広がっている生徒がたくさん育っています。

★この高水準の私立中高一貫が集まったのは、広尾学園が順心女子からの大転換を果たした影響を受けたからということは否めません。

★2008年以前までは、麻布、慶應中等部、芝がダントツのイメージだったのが、広尾学園の誕生は、山脇学園の改革、東京女子学園(来年から芝国際)の改革へ間接的に影響を与えるきっかけになったでしょう。それ以外の学校も、大きな改革ではないかもしれませんが、内部のクオリティを充実する変容はあったと思います。

★こうして港区の私立中学は、偏差値競争というより、教育の質の競争のステージにシフトしました。いずれもすばらしい教育を備え、港区というエリアの価値をあげることに貢献しているでしょう。

★都市と経済と教育の好循環の1つのモデルです。これによって、港区の公立中学にも良い影響を与えることにもなると思います。一定水準を土台にそれぞれ独自の教育を展開する都市。魅力的です。このようにソーシャルジャスティスを目標とする都市がどんどん生まれていけばよいですね。

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