情報の教員が学校組織の質をアップデートする 時代の変容シナリオをつかんでいるから
★勤務校聖パウロ学園は、組織を教師一人ひとりが変えクオリティをあげています。そう実感するのは、朝イチで出勤し、学校日誌を読み、生徒の出席状況、教師の勤務状況を確認し、一日のスケジュールを理事会の動きも含めてホワイトボードに書き込み(タブレットやデスクトップにすべてデータははいっていてるのですが、マッピング思考には俯瞰できるシンプルなものが必要、スクールバスの運行状況の変化は書き込むのが速いですね)一日のアクションスケジュールを共有できる準備をするだけで、あとは私は何もすることがないからです。
(WEB3.0に向かう過渡期のキーワード)
★朝の会はもはや私ではなく主幹が司会をしながら、連絡事項の合間に、先生方の30秒スピーチを入れていきます。そして若き主幹は学年主任でもあるので、現場の具体的状況を理解しています。その状況のリフレクションを前日から気づいた先生方としておいて、そのことを共有します。日々改善しながら生徒の未来を創ろうよとエールをおくります。
★そこから学年会が始まり、朝礼や授業が動いていきます。毎日どこかの部署のミーティングがあって、アクションプランの実行の最適化と実施後のリフレクションを行っています。ランチの時間の三分の一は、各行事やボランティア活動ごとに生徒が集まったり、生徒会などが動いています。体験重視とは主体性重視だと生徒は理解して動いています。もちろん、先輩たちの姿をみてそれがストレートに総合型選抜のリソースになるという実益の部分も意識しているのでしょう。でもその実益は、受験勉強も社会正義が通用するという意識なのです。
★午後は一気に授業が展開し、終礼を迎えます。掃除は教師も生徒もいっしょに行います。次の日に向けて学びの準備をするという意味での掃除です。自分たちがやるのは当然ですね。
★終礼後は、部活、ヴェリタス(高度な学び)、カリタス(補習)、100分学習(自学自習)という流れになり、賑わっています。
★というわけで、朝の会が終われば、私はお客さんとのミーティングや先生方の相談にのるだけの時間です。先生方は、このセミナーにいきたいんですけどとか、あと一歩で説明会は満席になります、この時間塾訪問に行ってきま~すとか、この会議の資料はタブレットでいきますがいかがですかとか、来年の修学旅行思い切ってここに変えたいんですけどとか、ユニバーサルデザインとSDGsの関係のワークショップを授業でやりたいんですけど、こうしたらよいかなと思いますが、ほかにアイデアありませんか、アドバイスくださいとか、職員会議で、この話共有したいんですけどとか、調査書の印鑑おしてくださいとか、パラグフライティングと国語の小論文の接点がここにありますよと情報共有しますとか、瞬間的ですがみな三角ロジックで対話をしにきてくれます。とはいえ、この役割、すべて教育関連法規に規定されていることが実行されているだけなんです。
★でも、このような組織の雰囲気をみて何かを感じた情報の教師が、職員会議で、この資料でWEB3.0 の情報共有したいのですがいかがですかと。もちろんというわけで、現状のパウロの組織や教師、生徒の動きが、来るべきWEB3.0に接続する動きになっていると、時代と具体的状況のマッチングの状況をマッピング思考よろしく語ってくれたわけです。
★簡明な図をスライドに書いて説明していました。時代の流れ図、現状のWEB2.0 とWEB3.0の比較図、時代のキーワードとそれにつづくパウロで行われている重要な実践のキーワード化など5分間スピーチでした。終了後拍手はもちろんです。自分たちのアクションが、時代の流れのどこに位置づけられるのかマッピング思考を共有した瞬間でした。
★≪Z世代≫教師が多いということもありますが、タブレットとワークショップで学びの環境デザインができる教師の支援をしているのは情報の教師と教育イノベーションチームであることは確かです。生徒もいつでもどこでもタブレット型PCを持ち歩いているわけです。
★私は、ルールオブローの中でのアクションであるかどうかのリフレクションと三角ロジック対話に応じるだけの仕事になりました。
★ビジョンは、情報の教師がフラットに共有してくれますから、私が声高に言う必要はまったくありません。もちろん学校のビジョンについて語ることはありますが、理事会で話すぐらいです。あとは教頭・副教頭・主幹がいろいろなミーティングで共感を得る表現方法は何か日々考えては実践しています。
★ルールオブローに反する時は権力は発動せざるを得ませんが、それ以外は、フラット、フェアー、フリー、フラタニティ―、ファシリテーションの質が充満してきました。もちろん、学校内の問題ではなく、社会から押し寄せるいいろいろな問題、パンミックや円安経済の影響などにどう対応するかは、スクラムを組んで乗り越えるしかないわけです。スクールバスのスケジュールが乱れるのも、毎日電車が遅れる心配な事態がおきているからです。そこは祈るより仕方がないのですが、日々社会問題が、つまり生徒が取り組んでいるSDGsの問題が肌感覚で伝わってくるいまここです。未来社会を生徒と共にどうしていったらよいのか、2030年問題はすぐそこです。
★そんな状況を好循環に変換する未来シナリオを描くマッピング思考を常にしているのが情報の教師です。しかも限られたリソースやコストでそのアイデアを実現する技術を実装してもいます。情報の教師が活躍できる学校組織は、間違いなく教育クオリティをアップデートしていけるでしょう。
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