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2022年11月 6日 (日)

ドネラ・プロジェクト(05)レバレッジポイントとティッピングポイント

★ドネラ・メドウズのシステム思考の考え方の中に、レバレッジポイントとティッピングポイントというのがあります。SDGsや組織変容、自己変容成長論などの話でも活用されていますから説明するまでもないかもしれません。自然の変化、社会の変化、精神の変化。この3つが好循環をうむためのティッピングポイントやそれを生み出す有効なレバレッジポイントを求めて、世の中は議論し続けているわけです。

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★教育改革は、人材育成も目標の1つですが、その人材は、今ギシギシきしみ音を出している宇宙船地球号を修復してアップデートできる才能者をたくさん生み出そうとしています。上記の図のように、どこの力点が有効な作用を生み出すか、レバレッジポイントはどこか探しているわけです。才能者がたくさん生まれるには、才能者が自らコンセプトレンスを有する学びの環境が必要です。

★その環境は、力点が右上に行くほど効果的というのが、上記の図です。コンセプトレンズとは、現状をつくっているパラダイムを洞察し、そこから生まれる問題を解決する根本的なアイデアを生み出すパラダイム転換の視点のことです。

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★才能の発達には、ざっくり三段階あります。そのステップをあるとき次のステップに急激にシフトする転換点がティッピングポイントです。三段階ごとにコンセプトレンズの倍率をアップデートしなくてはなりません。

★それは何か?残念ながら教科書や参考書には書いていないのです。体験の中から自ら発見するしかないのです。ただし、1人でではなく、協働ししてですから、ご安心ください。

★コンセプトレンズがアップデートする瞬間は、ジレンマやトレードオフを実感するときです。それはシンボル操作だけではピンときません。やはり体験が重要になってきます。もちろん、体験をしながらシンボル操作をしなくては、解決策は生まれてきません。よくクリティカルシンキングと言われますが、この思考は、まさにこのジレンマやトレードオフの状況をモニタリングするときに稼働します。

★問題解決はクリエイティブシンキング、そしてその検証はロジカルシンキング。ロジカルシンキングの時には専門的な知識を活用し、足りない知識を発見します。すると再びクリエイティブシンキングが稼働し、新しい知識=概念を生み出します。

★この多様なフェーズで現われる思考の循環が広がっていくには、レバレッジポイントとティッピングポイントが見える化される必要があります。体験を通して「気づく」とは、このポイントの発見のことを示唆しています。この気づきのプロセスは、いろいろな感情や価値観が蠢きます。感情を抑圧したり、価値自由を拒絶することで、このポイントに気づかないということもあるのです。

★それゆえ、ドネラは、メンタルモデルのサーチをシステム思考に含んでいるわけですね。

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