ドネラ・プロジェクト(10)対話はメンタルモデル同士のやりとりで、言葉はその媒介項の1つ
★対話という行為は、互いの思いを伝える、あるいは伝わるようにやりとりする際にとても大切なのは、言うまでもありません。ところが、対話というと音声、文字などに物象しているものがすべてだと私たちは思いがちです。ですから、最近「~すべき」「~してはいけない」という音声や文字を使ってはいけないみたいな研修が多いですね。概ね間違いはないのですが、その気遣いに支配されて、身動きがとれないケースも実は多いのです。経験上学校では10%の生徒がその可能性が高いです。ある特別な学校では、100%という場合もあります。
★そのような音声言語や文字言語は、入試では当たり前なので、あたかもそれらが言葉であると思ってしまっていますね、私たちは。ところが、実際には、メンタルモデルを構成する意味は多様だし、身体的体験も不安定だし、いつのまにかルールや習慣、文化に囲まれ、メンタルモデルが必ずしもアイデンティティと一致しないという場合もあります。要するに互いに不確実なことを対話でやりとりしています。
★まして、ことばを音声言語や文字言語に限定してしまうと、身体的体験やそこで経験しているコンパッション(慈愛)が斬り捨てられる可能性が大です。
★コンパッションなし言語で対話すると、それはメンタル的には、不安定だし、不確実だし、変化に耐えられないし、曖昧な感覚でまいってしまうし、複雑で迷路にはまったりします。
★こんな状態で、「~すべきだ」とか「~してはいけない」と言われたら、やりきれないですね。ふだんは不安定な対話なので、そのような決めつけ的な言葉を使わないというのは、たしかにそうだと思います。
★しかし、だからといって、不安定な気持ちや曖昧な気持ちが晴れるわけではないのです。ではどうしたらよいのか?(つづく)
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