ドネラ・プロジェクト(04)中村佑子さんと新しい哲学としてのシステム思考
★VOGUE2022年9月28日の中村佑子さんの記事「なぜ哲学者は男性ばかりなのか。」を読みました。中村さんは、現在映画監督ですが、大学からずっと哲学を学び生業としてきました。その中村さんの論考がゆえに、迫力があります。私が影響を受けていたフッサールは、実際にはエーディント・シュタインという女性の哲学者が編集プロダクトをしていたのかもしれないと気づき、改めて哲学におけるジェンダー問題に衝撃を受けました。ここのところ新しい哲学が生まれている予感はしていましたが、哲学、文化人類学、社会学、システム思考などがインテグレイトされている動きが話題になっているからですが、明確にドネラのシステム思考の流れこそが哲学の現代化を図るものであり、ドネラ・プロジェクトのますますの重要性に確信を得ました。
★ところで、中村佑子さんは、桐朋女子出身です。同校出身者は世界で活躍する女性がたくさん輩出されていますが、どの方も共通しているのは、根本的問題に立ち還りクリティカルシンキングを発動し、かつアクションを起こすという真の自由をアイデンティティとして持っている、あるいはメンタルモデルとして確立しているということかなあと。
★いずれにしても、このような発想は、ドネラとも共振します。そして、ドネラの新しい哲学として重要なポイントは、システム思考は図式化としてシステムループを描きますが、最終的には方程式を創出する科学的思考法です。男性の哲学は、20世紀はヴィトゲンシュタインの論理実証主義をベースにするという説もあるようですが、ドネラは、科学的には論理実証主義的要素も包摂していますが、その出発点は寛容性でありゴールデンルールです。
★もしドネラがフッサールの時代に活躍していたら、フッサールのようにシュタインの行く手を阻むことには、真っ向から反対したでしょう。
★女性の新しい哲学をベースにした活躍は、SDGsのフィールドに象徴されています。このSDGsも、ドネラとノルウェーの初の女性大統領グロ・ハーレム・ブルントラントなくしては生まれなかったかもしれません。
★やはりドネラ・プロジェクトはますます重要だと感じました。
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