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2022年10月21日 (金)

変わる富士見丘(2)「2つの体験と先進的教育施設」というコンセプトレンズでサーチする

★富士見丘の教育の質は、同校が実施している「SGH」「WWL」「英語教育」「海外留学」「プロジェクト学習」「探究学習」「進学実績」「高大連携プログラム」などなど多様な教育活動を紹介するだけで、そのスケールの大きさ奥行きの深さが伝わると思います。ただ、他校と比べて富士見丘の教育の質がどれほど豊かなのかということは、なかなか伝わりません。そんな比較はいらないと言われるかもしれませんが、偏差値垂直序列ではなく、教育の質という水平的多様性を表現することは、互いに質の向上を果たそうとする推進力になる可能性があります。そこで、その水平的多様性を見るコンセプトレンズとして「2つの体験と先進的教育施設」を活用してみたいと思います。

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★その場合、部活と文化祭をあえて体験の中から外します。富士見丘の部活や文化祭はとても活発で、グローバルレベルのものもありますが、それをあえて、このコンセプトレンズから除きます。するとある学校だったら、この2つを除くと、教科学習と進路指導しか残らないところもあります。富士見丘はこの2つを括弧に入れても、豊かな「コア体験(全員参加型体験)」と「バッファー体験(個別最適化体験)」がたくさんあるのが明快になります。

★また、「先進的教育施設」があるのに気づくでしょう。この施設は、たんに校舎という意味ではありません。学際的学びや探究的学びの拠点だったり、教育理念のマインド育成の場だったりします。それに、施設は、リアルスペースだけではなく、webでつながるサイバースペース上にもあるのです。富士見丘はもちろん両方存在しています。

★それから「体験」にこだわったのは、新学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」と表現されるアクティブラーニングあるいはプロジェクト学習で、体験のないものもあるからです。

★今、18歳成年の時代を迎えています。それまでにSTM(Self Transforming Mind)を育てなければ、未来社会の進化を持続可能にする人材が足りなくなるといわれています。富士見丘では、このSTMのことをグローバルコンピテンシーと呼んでいます。

★このSTMとしてのグローバルコンピテンシーが育つには、プロジェクト型学習や探究学習などが必要ですが、その背景にはリアルな体験が必要です。体験なきプロジェクト学習や探究学習は、文献リサーチで終わりがちです。

★その場合、気づきは文献の枠内に限られます。気づきは疑問や問いという形で生まれてきますが、文献リサーチは、すでに誰かに発見された既存の問いを見つけるというよりは、文献の中から抜き取って終わる場合が多いのです。結局先人たちが気づいた問いを並べることになりがちです。

★それでは、Aをインプットし、記憶し、またAをアウトプットするという学びになってしまいます。ところが、体験をベースにすると、Aをインプットして、ディスカッションし、論文編集をし、プレゼンするという探究過程を通過することによって新しい見方Xがアウトプとされることが多いのです。つまりA→Xという自己変容を生み出すことができるのです。

★もちろん、体験をDoするだけでは、おもしろかったとかつまらなかった程度の反応で終わることもあります。生徒は、体験したら、探究型あるいはプロジェクト型のプロセスを通過することで、ワクワクするようなアイデアとスリリングな実現方法を生み出すわけです。

★富士耳丘の生徒は、この知のトランスフォームを生み出す学びを行う環境が緻密にかつ大胆に用意されています。

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