聖パウロ学園~数学的思考と数学問題の解法をいったん分解してみる
★東大の数学の入試問題の解法の中には、見事なまでに数学的思考や数学的センス、発想というものが埋め込まれています。ですが、ルビンの壺よろしく、見えるのは解法です。その背景に数学的思考やセンス、発想があるのは解ける人には当たり前のものとして可視化されていません。暗黙知になっているのでしょう。大学受験勉強だとそれよいのですが、東大に進学するのは、ざっくりいうと、高3生100万人のうち3000人強です。
(左から伊東先生、松本先生、佐藤先生)
★勤務校は特段東大にこだわっていません。ですから、東大の入試問題の解法に重点があるのではなく、むしろその背景にある数学的思考やセンス、発想に興味があります。今後文理融合になっていったり、地経学的発想の必要性が高まってきたり、AI技術が高まってきます。その時必要なものの1つに数学がありますが、別に東大の数学の解法が必要なわけではありません。
★必要なのは、数学的思考やセンス、発想です。実はここの部分を日本の数学のカリキュラムは一つの単元として取り扱ってきたことはなかったので、可視化されたものがあまりないのです。ここの部分は、文系もちゃんと学べるし、実におもしろいのです。
★勤務校の生徒は文系の生徒が多いので、数学をともすれば授業の評定をとることで終わりがちです。数学は不得意という生徒もいます。しかし、それは数学が不得意なのではなく、数学問題の解法が不得意というか解きぬくモチベーションがないというだけのことです。
★しかし、数学的思考やセンス、発想の問いに関しては、文系の生徒もおもしろがって考えます。
★そこに気づいた勤務校の数学科の先生方は、ここ数年、毎月MM(Math Meeting)でこの部分をなんとか可視化しようといろいろな入試問題の背景を探索すべくアルゴリズムを創りながら解放のプロセスの中にある数学的思考、センス、発想を取り出そうとしてきました。
★今回は、10個以上の思考実験問題をカテゴライズしながら、それを可視化しようと対話をしていました。
★すでに、上記のイメージはなんとなく共有されているので、数学的思考さえ可視化されればあとはなんとかなるわけです。数学的思考以外は、可視化されている研究成果がたくさんあり、世の中でも、「探究」という機会に多くの先生方が活用しています。
★しかし、「数学的思考、センス、発想」が可視化されていないために、感情的な議論が多く、クールダウンして対話することができないのが現場のアルアルです。
★数学的思考を可視化して活用できない「探究」は画竜点睛を欠くでしょう。STEAMも、数学的計算を活用しているだけで、「数学的思考、センス、発想」を可視化してスキル化できていないと、やはり画竜点睛を欠くでしょう。
★数学的思考のみは、なんと人類が誕生する以前からあったという超宇宙的普遍的思考です。と語る現代哲学者が欧米に増えてきています。
★日本の未来の教育は、PBLやSTEAMやDXの人材という要素だけではなく、その要素分解を統合する「数学的思考、センス、発想」を創り上げ、すべての生徒とシェアする必要があります。この辺については、GLICCの代表鈴木裕之さんが主宰しているGWEという番組で伊東先生が語っています。長い動画ですから、その部分は1時間27分あたりから始まります。
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