教育の質の高い中身を選択する時代(05)高校受験情報誌「my SPECIAL ONE」の巻頭座談会の意味④
★今回の巻頭座談会で、北一成さん(首都圏模試センター取締役・教育研究所長)が3番目に振ったのは、青木顕太さん(個太郎塾川口教室・戸田公園教室室長)。青木さんは、公立中学校の教員経験もあるため、リアルな学校の状況や高校入試の閉塞状況を理解しています。だからこそ、高校入試や学校の教育を変えたいというモチベーションがずば抜けて高い人物です。
★なんといっても、グローバルな視野かつ留学の意義など具体的な情報を豊富に持っています。1つの地球という立ち位置から教育を観ながら、同時に極めて現場で子どもたちが悩んでいるリアリティのある問題に真剣に向かい合う教育実践家でもあります。
★たとえば、自分の偏差値に合わせて同偏差値の学校を選択して入学したとします。すると、自分のペースと合わないため、退学・転学するという生徒もいます。高校進学率が97%以上になっているということばかりが注目されていますが、退学・転学率というのがいかに多いかは、統計がないですね。ただ、通信制高校の在学生が年々増えるというのは、退学・転学率も増えているということでしょう。
★通信制高校は、入学の時の生徒数より卒業生の生徒が増えているケースが多いのですが、それは退学・転学率がある程度高いということを示唆しています。
★ですから、青木先生は、生徒と学校情報の非対称性を無くそうと提案します。生徒目線で、学校情報を伝えられたらということと、学校情報を伝える場合、同じ目線で発信しようということですね。
★同じ目線でとはどういくことか?一人のジャーナリストやライターがすべての高校情報を書けば、一定の基準で学校を比べられるわけです。そういうジャーナリストが5人くらいいて、5冊分厚い情報誌を出せば、それぞれのライターの文章の中で比較し、かつそれぞれの情報誌を比較すれば、かなり生徒にとってはマッチング学校が見えてくるというわけですね。
★ところが、そんなことは不可能です。それで、情報誌を編集するメンバーがミーティングを重ね、コンセプトや価値観のすり合わせをして、一定水準の基準を共有=同じ目線で編集していくことが大事なのだと。
★それゆえ、今回8人の高校情報誌創刊プロジェクトメンバーが毎週のように制作会議を重ねてきたのでしょう。制作会議の合間に山下さんが「思考コード」の勉強会を開いていたのは、思考コードについて共有するという目的もあったでしょうが、実はコンセプトや価値観を共有する時に思考コードの理解は有効だからです。
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