カトリック枠で受験する生徒と学ぶ
★勤務校に限らず、カトリック学校は、上智や南山、聖心女子大などカトリックの大学をカトリック校出身の枠で受験できる制度があります。ですから聖書と現代社会のようなテーマでワークショップをしながら、聖職者でもない私や同僚といっしょに生徒とともに学ぶ機会があります。
★新約聖書の半分くらいは、使徒パウロが福音を普及することになる手紙が占めています。勤務校の名称が「聖パウロ学園」ですから、パウロに学ぶことは必然的に多くなります。また、ルターや内村鑑三もパウロには影響を受けているので、余計パウロの手紙をよむわけです。
★すると、おそろしいほどに、現代的な人間の精神の問題が取り扱われているのに驚くわけです。
★たとえば、フィリピの信徒への手紙の次の部分です。
15 確かに,ねたみや競争心からキリストについて伝道している人もいますが,他の人たちは良い動機でそうしています。 16 後者は,私が良い知らせを擁護するために遣わされたのを知っており,愛に促されてキリストのことを広めています。 17 しかし前者は,純粋な動機ではなく対抗心からそうしており,拘禁されている私を苦しめようと考えています。 18 では,どんな結果になっているでしょうか。うわべだけの伝道であれ,心からの伝道であれ,あらゆる方法でキリストのことが広められています。そのことを私は喜んでいます。そして,これからも喜びます。
★解釈はいっぱいあるのでしょうが、ねたみや競争心、党派的なマインドなどが結構多い中で人間は生きています。ですから、いちいちそうではないのだと説教をするのではなく、ウェルビーイングを伝えようとしているなら、そのルサンチマンは、そのままにしておこうという寛大さがすごすぎます。
★もちろん、ねたみや競争心から、違法行為を行うのは論外です。
★しかし、道は違っても、多くの人が納得のいく目標に向けて歩んでいるのだから、全体としてはいいんじゃないという考え方。結構ハードルがたかいですね。
★高みの見物ではないかと。たしかに、私のような世俗の人間がそんなことをいったら、他人事すぎます。
★しかし、パウロももちろんイエスも自分の命をかけるパッション=受難を受け入れるわけですから凄すぎます。
★スキルフルネスとマインフルネスの両方をbeyondする。どうすればよいのでしょう。
★逸話ですから本当かどうかわかりませんが、ダ・ビンチは上記の2つのタイプの弟子を持っていました。しかし、その両方を統合するようなあるいは超えるような弟子はいませんでした。beyondのポジショニングにはすでにダ・ビンチがいたからです。
★ということは、人間の社会で、党派的なマインドを超えることなど限られた人間にしかできないということでしょう。
★世俗の人間はどうするか、ひたすらルサンチマン耐性のマインドを構成するしかないということですね。構成主義の根源的な意義はここにありそうです。社会課題の解決はウェルビーイングではありますが、なかなか辛い心性が横たわっているのかもしれません。
★これは、制度的には解決できません。制度は、一部の人がそこから脱出できるようにできているからです。ルサンチマン耐性など人に丸投げです。黄金律の真逆です。
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