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2022年9月19日 (月)

トランジション教育型学校(4)Thinking Seedsの構造

★探究型体験プログラムは、たしかに体験を重視している。体験を1人行うとしても仲間と行うとしても、複眼的インテリジェンスを活用するし、自然や動植物、もちろん他者に対する気遣いが必要になる。最近の言葉でいえば、認知能力と非認知能力の両方が協奏するわけである。

【Thinking Seedsの構造イメージ】

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(→の価値が重要である。ここで多様な問いが生まれるのである)

★ポイントは、このとき思考が生まれるわけであるが、思考はどんなサイクルを生み出すのだろうか?サイクルを生むことによって、あるいはトルネードを生むことによって、多様な知識を巻き込んでいく。上記のような図は、勤務校で教師も生徒も共有しているモデル。いくつかあるのだが、説明会の校長の最初の5分間スピーチでは、これを活用する。

★この図のことを詳しく話すと、時間がいくらあっても足りないけれど、イメージとして提示して、それぞれの要素の具体的なケースを先生方や生徒が語っていく。あくまでこの図は、Tinking Seedsの内的構造のイメージに過ぎない。

★しかし、私は、毎朝行う10分間朝会で、2,3分は、この図のどこかしらを手を変え品を変え、先生方と共有する。どこかしらというのは、最初の7分くらいは、イベントや生徒のことなどの情報共有がなされるので、その共有された情報に関連するように、上記の図のどこかを少しリフレーミングしてリンクさせることにしている。全体朝会終了するやその場で学年朝会に移行する。最初の10分間の全体朝会の話が、学園に具合的に変換されていく。

★生徒との志望理由書に基づいた面談の時も、上記の図の箇所について一通り問いを投げかける。宗教のワークショップの時も同じである。

★また、先生方と教科授業のデザインについて対話する時も同様である。保護者会、父母の会の委員会でも同様。

★Thinking Seedsが、教師、生徒、保護者の中で発芽し大きな木になっていけば、複眼インテリジェンスと黄金律ベースの心が統合される知の森が、学園に広がる。コンパクトスクールは、最初のカラシダネをどうするか。このシンプルな図についても企画戦略室室長と何度も対話し、複数描いているが、引き算の美学というコンセプトに従って、結局、説明会で使うのは、この図にした。これは正解でも何でもない。いろいろあってよい。

★好奇心→開放的精神→批判的思考→・・・でももちろんよい。しかし、引き算の美学過ぎるので、少し足し算したわけだ。また興味と関心から始まるのもよいが、実際には、体験と発想の間の矢印の過程で、問いが生まれて、思ってもいない興味関心に気づくものなのである。

★気づいたものは、仲間と分かち合いたくなるのが、人間である。対話によって共有すれば、互いのメンタルモデルもわかり、共創するマインドセットが生まれる。そして改めて自分を振り返ると、いろいろな発想が結合し、小さいと言えどもブレークスルー。このサイクルがグルグル回っていくと、ようやく理想と現実のギャップを埋めるビジョンが見えてくる。

★Thinking Seedsが発芽して育っていく環境や機能を生み出すことが学校の役割でもある。こんなことを実践しているうちにきっとTQschoolも生まれてくるのだろう。

★なお、体験とは、森や海という環境で行う「純粋体験」とwebや読書などの「媒介的体験」の両方があるが、大事なのは、どちらにしても人間はその体験を自分の身体脳神経系全体で写像変換して思考したり感じたりするのであって、外界の物質的な違いにこだわる体験論はあまり意味はない。その前提があって、私たちは体験を重視しているのである。

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