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2022年9月10日 (土)

サレジアン国際学園世田谷(1)「世界市民力」を育む教育改革の真意

★昨日、GLICC代表鈴木裕之さんが主宰するGWEに、来春から大胆かつ本格的に新しい教育を行っていく「サレジアン国際学園世田谷中学高等学校」の先生方が5人登壇されました。それぞれの役割いや使命が発揮されていて、教育改革プロジェクトチームの良質さが伝わってきました。来年から始める教育改革ですが、すでにその図面は大胆かつ細心の注意が払われています。改革の成功が確信できるプレゼンで、驚嘆しました。

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(GLICC Weekly EDU 第94回「サレジアン国際学園世田谷中学高等学校~未来に羽ばたける力、『世界市民力』をはぐくむ」)

★まずは、教頭小西先生のプレゼンです。修道会サレジアン・シスターズと21世紀型教育の出会いが生み出す化学反応が丁寧に語られました。今までの21世紀型教育推進校と決定的に違うのは、21世紀型教育をこれから作っていこうというのではないということです。

★それは、私たちが、自己開示をしたり自己表現をするとき、鉛筆や絵筆を使っていた時代から、PCやAIを使う時代になったとき、道具を変えるのと同じ感覚なのです。21世紀型教育は主体ではなく、あくまで道具で、主体はサレジアン・シスターズの教育そのものであることに変わりはないのだと感じました。

★PCやZoomなどを活用する時に、その使い方の研修を受けるのとまったく同じように、ツールとしての21世紀型教育を活用するわけです。

★小西先生のお話に耳を傾けながら、ああそうだったんだとドン・ボスコの次の言葉を思い出しました。

「愛情をかけるだけでは足りない。彼らが愛されているということに気づく方法で愛しなさい」

★ドン・ボスコは困窮者に寄り添いながら、愛情を注ぎましたが、注がれている方がその愛情を自覚しなければ自らの内面に希望を灯すことができません。ですから、愛されていることに気づく徴としての方法が必要なのです。

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★今の日本は、マザー・テレサが、来日し、カテドラルで、どんなに豊かであってもあなたがたの心は困窮していると語ったように、心の困窮に接することなく、安心安全な場所に逃げ込んでいるような社会なのかもしれません。学歴が高かろうが、富裕な生活を送ろうとも、もし自分の心の困窮に向かい合わなければたいへんなことになります。

★そんな状態に寄り添い、愛情を注ぐサレジアン・シスターズの教育。パンデミックの負のスパイラル、ロシアのウクライナ侵攻が世界にもたらす負の影響、気候変動による自然災害の中にあって、世の中も柔軟に多角的に、困窮している状況に光を当てる方法を必要としています。そこで、サレジアン・シスターズは、世の困窮に光をあて、愛されているということに気づく方法で愛しようとしているのだと感じました。

★その方法が、20世紀型教育では、時代に合わなくなっているので、21世紀型教育というツール=方法で困窮者や困窮状況に寄り添って、ウェルビーイングにトランスフォームできる世界的市民力を育むという意味の教育改革を断行する意思決定をしたのでしょう。小西先生のお話を傾聴しながらそんなことを感じました。

★サレジアン・シスターズ及びサレジオ会の学校は、カトリック学校の中でも影響力が強いので、本格的に21世紀型教育という方法を活用することは、神の計画として善き影響を与えることになるでしょう。具体的な内容はぜひご視聴いただきたいと思います。

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