オープンスクール 聖パウロ学園 生徒と共に創る新しい風
★昨日、聖パウロ学園高等学校は、オープンスクールを開催しました。8月に行う予定でしたが、東京の感染数が激増した時期であり、それ以上に八王子市の拡大がすさまじく、3年ぶりの八王子祭りも中止になるぐらいでしたから、実施を断念。昨日に延期しました。たくさんのお申し込みをいただいたにもかかわらず、ご迷惑をおかけしました。
★にもかかわらず、本日多くの方が再度申し込みをしてくださり、心から感謝申し上げます。
★オンライン説明会も考えましたが、体験を大切にする思考型授業と思いやり(黄金律)を一体化したパウロの教育を体験していただくには、リアルスペースでおもてなししたかったのです。
★今パウロは、生徒の主体的な行動力がコンセプトです。授業も行事も部活も説明会も生徒がパワフルにクリエイティブに活躍します。
★デモンストレーション動画も生徒が作ってくれます。自由意志という意味でのボランティア精神はスクールモットーです。そして、それを行動にシフトするために、作戦やシナリオを生徒は考え、対話し、改善し、実行していきます。
★毎日、ランチタイムは、なにかしらのプロジェクトチームがお昼を早めに切り上げ、会議室にきて、コンヴィヴィアルに対話しています。
★この時期は、文化祭や大学入試準備、3年生の引退試合を行う部活など、ブッキングが重なります。そこをやりくりして、生徒たちは勉強もしながら学園生活を送っています。クリエイティブテンションの雰囲気があふれでています。
★そんな中、生徒募集も、後輩を迎える準備だからとパウロの魅力をスピーチするリハをやったり、スライドをつくってシナリオを描いたり、受験生・保護者をもてなすアシストをしたり、30分のミニ体験授業を行う教師のアシスタントを担ってくれます。ときにはチームティーチングよろしく動いてくれる生徒もいます。
★前日は、会場設営なども生徒たちはかいがいしく行ってくれます。同時にリハもなされるわけですが、設営会場に一堂に会した教師と生徒が共に運営準備しているバックヤードの様子をみて、明日はうまくいくと確信を抱く「栄光の瞬間」でもあります。
★毎日の生徒たちの多様な体験のプロセスの交差が波打って、新しい風が吹いています。
★本番当日、自分たちがスピーチする出番を待っている生徒たちが、スピーチを終えてバックステージに戻って来るや、校長よかったよと声をかけてくれます。「生徒がいいからな」と思わず反応。ここはありがとうだろうと自分に問いながらも、いいねサインを交わしています。リフレクションする間もなく、説明会はどんどん進みます。
★彼らの出番は、オーディエンス側で聴きます。リハ以上に、感情をこめていますが、静かな情熱で語る生徒たち。ジェスチャーだけではなく、真理を語ろうと、昨晩も何度も自宅で練習していたとういのがわかります。スピーチ終了後会場から一斉に拍手が。もちろん私も。生徒たちとは、リハをいっしょにやっている(私は同席しているだけですが)ので、完全に対等なスタッフ同士の関係になっているのが心地よいですね。
★もちろん、指定校推薦などの面接のときは、生徒はスイッチの切り替えをして、別人です。生徒の表情は実に豊かです。
★それにしても、この生徒が主体的になる環境をセットする先生方は、すさまじいマルチプレイヤーです。そのことを生徒もちゃんとわかっていて、説明会で自分たちの先生を誇らしいと語るわけです。説得力あります。信頼の絆があることに参加された受験生・保護者は共感ししてくれます。
★先生方も、オープン・スクールの企画運営のために膨大な時間を使っています。同時にミニ思考型授業体験のプログラムもつくりながらです。PBL20%ルールやICTなどの学習ツール使用などのいつもの授業づくりの必須条件は共有しつつもオリジナリティを出そうとぎりぎりまで考えるし、語り合っています。50分の授業のエッセンスを30分でいかにデザインするか。
★小規模校です。リソースはパウロの森ぐらいで、あとは極めてコンパクトです。ですから、先生方は制約の中で創意工夫するイノベーターです。イノベーターは、すれ違いの隙間の時間で、よく意見交換しています。なぜか廊下が広いキャンパスなので、午前の体験授業終了後、生徒や保護者の反応の意見交換と午後への微調整への瞬間対話が行われています。
★なぜ瞬間かというと、個別相談に走る教師とスクールバスに受験生保護者を同伴する教師とにすぐに分かれるからです。野球部や馬術部は試合に出かけているので、専任の教員は総出で16人です。そのうち私は役に立たないので、15人で運営するわけです。10人の生徒が応援してくれなければできません。共に創るオープンスクールです。教師が生徒に指示して行っていたのでは、この手のイベントは無理です。生徒が主体的であるのが日常であるのは当然なのです。
★そして、それを超えて、むしろ阿吽の呼吸が生まれています。この息吹が新しい風となっています。
★生徒が語るパウロの魅力のシーンで、部活や行事について語るとき生き生きしています。しかし、驚いたことに、探究の授業のプロセスや教科の授業のプロセスにディスカッションや対話が埋め込まれていることの意義についてまで語るのです。
★もちろん、放課後、3つのしこたま勉強する時間の重要性も語るのです。どんな体験を通して自分は変わったのか、ビジョンを見据えられるのか、その体験の中に、学びの過程についても語る見識者である生徒たち。
★そのあと、ミニ体験授業です。生徒が語る通りの授業が各教室で展開されています。アシスタントの生徒もいつものように大いに楽しみながら深く考えていくプロセスを参加した受験生にファシリテートしていくわけです。
★もう私は、PBLの学習理論の講釈を垂れる必要はないのです。先生方が実践し、生徒自身がその授業を正しく認識しているからです。
★オープンスクールを迎えるまで入試広報部長伊東先生と何度も校長挨拶のスライドの創造的破壊をしてました。「校長、最後に生徒が教頭と対話しながらパウロの魅力を具体的に表現するのですから、できるだけ、抽象的にわかりやすく5分で」というわけです。めちゃくちゃシンプルになりました。しかし、実際に話してみて、まだ一枚カットできるなとリフレクション。例のジョブスの牛の絵のコンセプトを共有しながら引き算の美学を行うのはワクワクします。
★オープンスクールは、語り部が話していくうちに末広がりになって、最後は体験というわかりやすいけれど、生徒が学びの本質を語るトリガーを5分でというわけです。
★広報部長は、すべてのスライドを集め、ダブりがないように、でも強調したいところはリマインダー風に言葉を重ねていくという分解と統合という編集をしていきました。もちろん、そのつどわたくしと同様に担当の教師と対話を繰り返しています。
★氷山モデルは、教師も生徒も共有しています。校長の話は、見える氷山の一角から話すから話が長くなるというのです。目に見えない根底を単純に可視化してトピック化してあとはそれぞれの役割の演者が具体化すればよいという発想ですね。なるほど、伊東先生は数学科の教諭でもありました。
★多様な体験プログラムの背景にある根源的共通性をさりげなくいう。哲学的にではなくお願いしますと(笑)。
★哲学的な深層の話は大好きな先生方ですが、それと明示化は別なのだと。
★午前午後2回行ったので、午前のリアリスティックリフレクションをしながら、主幹の大久保先生が、ここを変えますよと入試広報部部長の伊東先生と交渉しているのもすてきです。生徒もステージのライトの調整をアシスト。パウロ祭の生徒による主体的運営がこういうところにも生きているなあと。変化を楽しむことのできる教師。防衛機制を解除する対話の瞬間。これもまた「栄光の瞬間」です。
★アンケートの評価は、先生方や生徒が創意工夫して昨年とは変えた点に集中し、そこを高く評価してくれていました。アンケートは9クラスのミニ思考型体験授業終了後とりますから、教師は収集しながら、「瞬時に」保護者のメッセージを浴びるわけです。それがまた教師間で対話のトリガーになります。
★からしだねの木は、あちらこちらで大きく育ち、新しい風に吹かれ共鳴音を奏でています。
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