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2022年9月 7日 (水)

聖パウロ学園~スクラッチコーディングを教科の思考型授業に埋め込めるか?密度を上げるために。

★聖パウロ学園の生徒は、もちろん他校同様Z世代ですから、グローバル時代は当たり前でかつデジタルネイティブです。カトリック学校ということもあって、そしてスクールモットーが黄金律ということもあって、たとえば、志望理由書に基づいた校長面接において、経済学部志望の生徒は、欲望の資本主義じゃやなくて倫理的資本主義への道のりをあれこれ論じます。その基本的な信念と考え方に基づいて、地域経済や都市経済を再構築していきたいのだと。もちろん、資本主義の構造上あるいはシステム上の根本問題などは、これから大学で追及していくのでしょうが、その素養の枠組は考えているZ世代に感心し関心を抱く日々です。

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(数学の教師と保健体育科の教師がスクラッチのコーディングで授業ができるか実験的ミーティングをしているシーン)

★校長のところまで来るまでに、先生方は志望理由書や小論文、面接の練習を1人ひとりずっと寄り添いトレーニングをしているわけです。だからでしょうが、ここまで急激に生徒は自己変容するのだと感じ入るわけです。そして、そのトレーニングの現場を覗くと、Googleclassroomでやりとりしながら、ドキュメントの共有をして、対話すると同時に、打ち込んでいるわけです。互いに打ち込んで共同編集しているわけですね。

★その手前では、スライドを作成し、プレゼンしたりしているわけです。動画も編集したりしているのです。外部のオンライン研修に出たりしている生徒もいます。その合間に探究ゼミで、知の体験をしています。ハート・スクエア―のポストイットで、感情と論理を整理しながらワークショップ型授業に参加したりもしています。

★ICTはヘビーユーザーですね。PBL型の学びもベースになっていることがわかります。

★ここまできたら、次のステップだなと思っていたら、情報科・数学科の教師佐藤先生が、自分の探究ゼミの生徒は、スクラッチのコーディングはやり尽くしていて、がっつりプログラミングをやりたいというメンバーなんですよと。なんという以心伝心。

★それなら、全員がプログラミングへとなるのではなく、スクラッチコーディングを使った教科授業はできないか実験してみようかということになりました。興味と関心がある教師が3人集い、何やら創発ミーティングをしていました。どうなるやら、楽しみですね。

★とにかく少人数で、森は豊かですが、物質的リソースは限られいる学園です。コンパクトに教科の授業の中に埋め込む作業が必要な学園なのです。コンパクトだけれど密度を高くする作業ですね。

★このアイデアは、こういう柔軟な対話によって創発されます。ミニコレクティブインパクトがまずは大切です。カトリック的には「カラシダネ」インパクトというわけです。

★各教科でスライドを使ったとして、別にスライドの学びをしているわけではありません。あくまで教科の学びです。ただ、スライドを使うと、編集思考がサポートされます。思考の過程を可視化しながら進んでいけます。レトリック思考ですね。

★同じようにスクラッチのコーディングを活用すると、同じく編集思考の過程の可視化ができるのですが、おもしろいことにレトリック思考と数学的思考の過程の両方の可視化ができるので、物語思考と数学思考の横断ができるようになる可能性があります。

★STEAMというと物質的プロダクトが目的になりがちですが、教科の授業にスクラッチ的なコーディングを活用すると思考のプロセスを自ら使えるようになります。それがプロダクトと言えばプロダクトです。

★カトリック学校において、パンは、物質的プロダクトとしてのパンと精神的なプロセスの中で生まれる愛や信頼というマインドとしてのパンがあります。

★前者はSTEAMの過程で、後者は教科の中におけるコーディングという名のプログラミングの過程で形成されるのかもしれません。

★もちろん、そんな分け方は正しいわけではありません。正解は1つではないのです。ただ、現状の世の現象としてそうなりがちだというだけのことです。

★聖パウロ学園のPBL型学びは、「(複眼的)思考型学び」という名称をつけています。思考とは、「想い」と「考えること」の統合を意味します。今でいう非認知と認知の統合です。マインドフルネスでスキルフルネスの統合と言ってもよいかもしれません。

★どこの学校でも行う朝の会の情報共有の10分間の中で、2分間は、先生方の活動にどういう意味や付加価値があるか想いをつぶやきます。そのつぶやきが先生方の想いと同期すれば化学反応が起こるし同期しなければそれは空振りです。

★先生方は想いをプロジェクトします。私はスクリーンでそれを映し出し、その2分間で先生方とシェアするわけです。スクリーン機能が先生方のプロジェクトをきちんと映し出しているかどうかは、スクリーンの性能次第です(汗)。

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