2030年問題はひたひたと迫る 教育出動必至。
★ダイヤモンドオンラインでは、こんな特集シリーズが連載されています。<「大阪」沈む経済 試練の財界>がそれです。趣旨を引用します。
「大阪は自信を失っている――。関西財界の大物幹部はそう自嘲気味に語る。新型コロナ禍でインバウンド(外国人観光客)特需が消失し、大阪経済の地盤沈下が止まらない。起爆剤として期待される2025年の大阪・関西万博や大阪IRでも、建設費の膨張リスクといった火種がくすぶる。財界に目を移せば、盟主、関西電力が不祥事に揺れる。万博やIRに向けた地元財界の動きに加え、大阪の金融や建設、電機業界の今を徹底解剖する。」
★この趣旨の文章の「大阪」を「東京」や「日本」と置き換えても成立します。それだけ、地政学的かつ地経学的、人口論的な問題がぶつかり合って昏迷状態になっています。
★すでに2019年東京大学文Ⅱの帰国生入試問題でこんな問題が出題されていました。
「2020 年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催される予定であり、2025 年には大 阪で万博(万国博覧会・国際博覧会・World Exposition)が開催されることが決定した。こ うした国際的で大規模なイベントを現在の東京や大阪に誘致し開催することの是非を、過去 に開催された東京オリンピック(1964 年開催)および大阪万博(1970 年開催)と比較しな がら多面的に論じなさい。」
★大学入試で問いかけられるぐらいですから、政財界ではとっくに喫緊の課題だと思って対応してきたでしょう。パンデミック、戦争、気候変動の3つの問題は、地政学、地経学、人口論の領域に甚大な影響を与えます。パンデミックで身に染みてわかっているように、現状の混迷とそれが起因する3大問題(でもこれはまだ根本問題ではないのです。この3大問題を引きおこす根本問題にたどりつけるかはポイントです。そしてさらにその根本理由は?)はなんとかしなければなりません。
★さて、どうしますか?それぞれの領域、つまり国、企業、NPO、農林水産業、大学、学校、個人などの問題は、実は一蓮托生ですから、それぞれのいまここでの場所で解決しながら、その解決がそれぞれの主語、つまり、「私」「友人」「家族」「組織」「社会」「世界」・・・へとつながる拡張性があるか検討していく必要がありそうです。
★「総合型選抜」の小論やそれに向けての探究の課題は、当然、先述の東大の帰国生入試問題のような問いも学びの対象の1つでしょう。受験への学びがそれぞれの主語につながっていく広く深い学びをしていくことがポイントです。
★これは、もはや偏差値軸1つではエンパワーメントエバリュエーションができませんね。
★偏差値も一つの尺度としてそれ以外の多面的な視点でものごとを考える「複眼思考型教育」を、まずは「学校」という主語のレベルはやっていかなくては。それぞれの学校で、2030年問題乗り越える共通意識をもって、独自の教育出動をする時代です。21世紀後半は、「地叡学」という言葉が生まれるでしょう。
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