石川一郎先生のYahooコメント ギフテッド教育をテコにラディカルな教育改革を提唱
★朝日新聞(8/7 11:00配信)<飛び抜けた能力、なじめない学校 文科省「ギフテッド」の子を支援へ>の記事を受けて、Yahoo公式コメンテーター石川一郎先生が、またまたラディカルな発言をしています。
(日本中の学校を風の如く飛び回りアドバイスをしている石川先生。お忙しいにもかかわらず、GWEにも出演して頂いています)
★朝日新聞は、文部科学省の昨年7月に立ち上げた有識者会議がまとめた「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する指導・支援の在り方等に関する有識者会議 審議のまとめ」を公開したのをうけて、同記事をリリースしたわけですが、おもしろいのは、文部科学省は、2EあるいはGDF(発達障害と才能を併せもつ「2E」:twice‒exceptional、「不協和感のある才能児」「GDF」:gifted child with discordant feelings)の子どもを対象にする議論をしていて、いわゆるギフテッド教育の話ではないときちんと分けているにもかかわらず、あえて、「ギフテッド」という用語を採用しています。
★この意図を織り込み済みで、石川先生は次のようなコメントを公開しています。
そもそもギフテッドの子たちは、教師には指導できません。「指して導く」のは不可能なのです。ここを自覚しないと前には進まないのです。だからギフテッドなんです。やって欲しいのは、ギフテッドの子たちを無理に教室に入れることでもなく、カリキュラムを消化することでもなく、存在を認め、ある意味自由に振る舞えるようにすることです。これ実は急務と強く思います。
★有識者会議のメンバー松村暢隆さん(関西大学恵美代教授)によると、最近ではアメリカでは「ギフテッド」という言葉は使わないようです。おそらく人権の問題が背景にあるからでしょう。
★ですから、朝日新聞や石川一郎先生は、ギフテッドということばを一般的な才能者という広義の意味で活用されているのでしょう。というわけで、上記のコメントの「ギフテッドの子たち」を「才能者」に置換えると、今の教育で「才能者」は育たないよと。だから、存在を認め、自由を確保することだよと。すると「才能者」は生き生きと才能を発揮するのだと。
★石川一郎先生は、誤解はしないでほしいけれど、普通の子とギフテッドの子を分けて話をしますとコメントを始めています。ここが高等戦術ですね。普通の子ってどこにいるのと思う読み手も出てくるでしょう。そこが、短いコメントで仕掛ける石川先生の妙技です。子どもたちのそれぞれの存在は当然認めるわけです。と、すべての子が才能者です。
★したがって、石川先生のコメントはギフテッドの子に限定して教育を語っていますが、その限定は、読み手によっては外れるわけです。となると、このコメントは途端にラディカルになります。
★こんな感じで、飄々と全国の学校でアドバイスをしているのでしょう。いつの間にか、ラディカルな改革の風が日本中に吹くという戦略ですね!
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