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2022年8月 1日 (月)

聖パウロ学園 カトリック学校対象の大学入試に向けての講座(7)根源的なるものと自己~システム思考で根源に迫る

★クリスチャン・サーカーとフィリップ・コトラーというコンサルタントが、Ecosysytem of Wicked Problems(EWP:邪悪な諸問題の生態系)というループ図を描いています。二人は、今までは、マーケティングや大企業の視点で経済の生態系を回してきたけれど、これからは社会の諸問題を解決する駆動力を発揮する団体がブランドを有すると。

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★それゆえ、この邪悪な問題ばかりの負のシステムループを善なるものに変えることがパーパスになるのがこれからだと。経営学のパラダイム転換をぶち上げているわけですね。この問題意識を根源的な諸問題にまで深めあるいは高め、それらが、人間の根源的存在を脅かしていることがわかれば、その負のシステムを作っている結節点を1つひとつオセロのようにひっくり返していけばよいわけです。そんなワークショップをしました。

Wicked-problems

★このEWP全体をひっくり返そうなんてしないで、まずは自分が進みたい道の行く手をふさぐ問題に注目していきました。生徒それぞれ違いますから、1人の力ではどうしようもありませんが、協働すれば希望はあるということも対話できました。

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★ところで、このEWPは、英語だと翻訳するのに時間がかかるので、すでに神崎史彦先生の本の中で翻訳されているものを活用させていただきました。使う許可を頂きました。ありがとうございます。

★サーカーは、いろいろな領域ごとのもっと詳細のループ図を作成しています。ですから、生徒もこのEWP図をみて、サーカーのように自分の関心のある問題を深堀していきました。

★非常に深く問題をとらえることが出来たと思います。深ければ深いほど、その問題解決は表層的ではなく、深層的なものになります。深層性は、大きなパラダイム転換やイノベーションのエネルギーになるでしょう。

★不思議なことに経済や経営でも、昨今の市場競争は「関心の質の競争」だと言われています。SDGsを深層でキャッチし、社会課題によって利益も同時にあげていく企業活動。まさに新しい資本主義のあり方ですね。

★マーケティング・ドリブン→コーポレート・ドリブン→ソサイエティ・ドリブンとなってきたわけですが、問題関心の質の競争となると、実は現代化リベラルアーツ・ドリブンによる新しい経済や統治組織が生まれてくるのです。

★高3のパウロ生と学びながら、「君たちの出番だよ」と心の中でつぶやきました。がんばれ受験生。

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