21世紀型教育研究センター クルックフィールズで2050年からシナリオプランニング(5)児浦モデル:新しい学びのデザインをメタデザインするWS
★2日目の最終ワークショップ(WS)は、児浦先生がファシリテーター。1日半かけて行ってきたWSをメタ化する児浦モデル。WSのラーニングツールの創意工夫がものすごい。イノベーションとはDXによるプロダクトだけではなく、それを生み出すプロセスのイノベーション、ツールのイノベーション、外部との協働ネットワークのイノベーション、サプライチェーンのイノベーションがありますが、21世紀型教育研究センターの主席研究員の児浦先生は、いずれも目配りがなされています。
★しかし、イノベーションという変容は、根底に「数学的世界の作り方」という根っこがあるからです。相対性理論ではないですが、変容は変容しない根っこがあってこそなのです。その根っこはたいてい仮の根っこです。
★文科省の学習指導要領に頼りすぎていると、その根っこが教科書標準の基準に制約され、教科横断型にはなりようがないし、まして世界標準には届きません。
★欧米だと、このクライテリアは、哲学だとかTOKだとかリベラルアーツだとかで、精査し続ける不変の領域です。不変なのだから精査し続ける必要はなさそうですが、植物でもそうですが、周りの環境によってその根っこは影響をうけますから、環境との関係でメンテは必要です。
★この根っこは、人によっていくつあかりますが。その一つが数学的世界の作り方基準です。この根っこは、文系理系関係なく根付かせることが可能です。児浦先生の根っこは未来に通じる不変/普遍的なものなのです。
★ラーニングツールは様々でも、基本タイプセオリー(階型理論)を活用しています。このセオリーをうまく使うために、削除挿入、順序づけ、重みづけ、分解と統合のポストイットワークをしていきます。タイプセオリーは、結局ジレンマを見つけるゲーム理論になります。ジレンマはそう簡単に解決できないので、トポロジー的発想の変換や変形をしていきます。
★この思考形式に、方程式化を入れると、学習指導要領の数学解法になっていきますが、それ以前の世界作りの方法はいわゆる数学的哲学です。ラッセルやヴィトゲンシュタイン、グッドマンなどなどが追究してきた理屈ですね。
★この哲学を数学科の教師として児浦先生はもともと有しています。それを、以上のような言葉を使わず、レゴや多様なポストイットなどで記号化してわかりやすく共有していくわけです。
★この「数学的世界の作り方」は、実はコンテンツには介入しません。ですから、各SGTは、自由な発想でコンテンツを生み出せます。2050年からバックキャストして、生徒像をイメージし、その育成を果たす学習デザインを議論して、編集していく。
★コンテンツには介入しないので、各人自由な発想でコンテンツを生み出します。収拾がつかないくらい豊かにひろがりますが、だんだんベクトルが深まりに進んでいきます。
★SGT1人ひとりが生み出す学びのデザインを生み出す学びのデザイン。このメタデザインの方法は完全に児浦モデルです。
★与えられたコンテンツは、好き嫌いがあります。生徒は嫌いなコンテンツにはモチベーションが湧きませんね。
★世の中、好きな物だけやっていればよいというものではないと、道徳的指導をするのは、20世紀型教育あるあるです。
★21世紀型教育は、関心のあるものからはいり、無関心だったものが、実は関心あるものにつながり、オセロのように関心あるものにひっくり返るという学びです。それには、SGTは最終的にコンテンツ(学習指導要領の項目)の学びのデザインをするだけではなく、関心を生徒が自ら生み出し、そのコンテンツを追究していくと、最終的には学習指導要領の項目以上の学びを広げ深めているというメタデザインをすることになります。
★さて、最終WSは、児浦モデルへのチャレンジを仕掛けています。しかしながら、児浦モデルは多角的知のネットワークによって昇華され、欧米でもシンプルがゆえに支持されている「数学的世界の作り方モデル」なので強力です。児浦先生は見事に気づかないようにハードルを上げたわけですね♪。
★2日間、みっちり広大なグリーンなフィールドと無限のマインドフィールドを循環をしながら、次の次元に歩を進めました。SGTが拓く未来がいよいよ楽しみになってきました。本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
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