« 21世紀型教育研究センター クルックフィールズで2050年からシナリオプランニング(3)マインドフルネスによる自然と社会と精神の循環 | トップページ | 21世紀型教育研究センター クルックフィールズで2050年からシナリオプランニング(5)児浦モデル:新しい学びのデザインをメタデザインするWS »

2022年8月13日 (土)

21世紀型教育研究センター クルックフィールズで2050年からシナリオプランニング(4)One Earthとしての循環を生成する新しい学びのデザイン

★今回は、デノテーション創発プログラムとコノテーション創造プログラムの二本立てでした。この二本をDNAのように螺旋構図として結合するのが、マインドフルネスというエポケーでした。エポケーとは、自分のこだわりや先入観をいったん棚に上げることです。自分の認識は知らなぬ間にいろいろな制約を被っています。多くの場合、その制約を受け入れる自己正当化をしているものです。これが防衛機制を稼働させ、人間関係を循環し辛くします。

★多様な人間同士の対話や協働作業は、この自己正当化に気づき、自分の枠から一時的に解放されることですね。とはいえ、枠が大きくなっただけで、枠がなくなることはありません。量や質は変わりますが、枠がなくなることはありません。ですからアップデートやアップグレード、さらにはその積み重ねが、ブレークスルーを生み出しパラダイムシフトを生み出します。

Img_2510

★1日目のクルックフィールズのフィールドワークを受けて、2日目の午前中は、マインドフルネス後に生物多様性や有機栽培などの循環を生み出す農法を生かすアイデアを対話し、その後学校を越えて、多様なエリアでどんなアクションをするのか企画コンセプトをプロダクトしました。

Img_2519

★このプログラムの大まかな進め方はクルックフィールズのスペシャリストが提示しますが、議論の仕方やアイデア出し、整理の仕方などなどは、各チームに任されていました。それゆえ、それぞれのSGT(スーパーグローバルティーチャー)が日ごろ活用しているメソッドが見え隠れして興味津々でした。

Img_2518

★どういうことかというと、数学的思考で、アイデアを出し合った後、優先順位や重みづけ、カテゴリー分け、メリットとデメリットのアルゴリズムを描いていきながら、提案を編集していくスタイルがあるかと思えば、そうでない方法もありました。

Img_2528

★その1つは共感的コミュニケーションで、すべての提案をリスペクトして、循環させるメソッドでした。循環させるには、レトリック的視点で関係ないと見えるものにつながりを見つけるためにさらにコミュニケーションをしていくというものでした。

Img_2532

★それに対して、やはりサイエンス的な有効性を深く議論して、絞っていこうというメソッド提案もありました。時間の都合で、もっと深めたいがというモチベーションがあふれるシーンもありました。そのモチベーションがまた次につながりますね。

★それに興味深かったのは、やはりメンバーのメンタルモデルへの気遣いとパッションの度合いを調整するチームビルディング手法もちらりと見えたことです。このPBL的な手法は、チームワークは重要です。チームワークは自律分散協働系が醍醐味です。自律系だけでも協働系だけでも最適なアイデアに質を高めていくことはできません。自律分散協働系だと、セレンデピティという感性がチームに広がります。

★そこは、各チームのコミュニティシップをつくっていく機能が働いていました。おそらく自然とそうなっていたのでしょう。チームワークの循環ってことですね♪

516zwfypoml_sy291_bo1204203200_ql40_ml2_

★ピーター・センゲとダニエル・ゴールマンの学習する組織とEQの統合態は、21世紀型教育研究センターの主席・主任研究員は身体化されているため、ナチュラルにアクションを起こすようになっているのでしょう。

★最近、私はピータ・センゲに影響を与えたドネラ・メドウズのシステム思考に回帰しています。彼女の場合は、システム思考とメンタルモデルのつながりがみえやすいのです。センゲもマインドフルネスを大切にしていますが、むしろシステム思考を見えなくする方に働くような気がしています。

★おそらく、センゲのシステム思考分析の対象が企業組織のケースが多いので、どうしてもデノテーションのつながりに偏るからでしょう。ですから、バランスをとるために、マインドフルネスということになるのかもしれませんね。GAFAももしかしたら、同じなのかもしれません。

★ドネラ・メドウズも科学者なのでデノテーション的システム思考を展開しますが、なぜかコノテーション的なマインドの側面がつながるのです。それはメンタルモデルをシステムのループでつなぐからでしょう。

★何がよいのかどうかは、選択の自由です。大事なことは多角的方法論を確認し合いながら、どの方法論を取捨選択するのかあるいは統合するのか対話が開かれていることです。オープンマインデッドネスということですが、これがなかなかどうして難しいから、マインドフルネスワークが求められるのでしょう。

★実はクルックフィールズは、アート思考があるので、デノテーションとコノテーションが自然と結びついているのです。このフィールドに合うように道具という可視化されたものも、アレンジされているし、独自に製作されてもいるのです。なぜアレンジや独自の製作になるのかというと、循環のコノテーションは、気遣いのマインドから生まれるのだということを改めて気づいたのです。

★その気遣いによって、生み出される循環。その循環が生み出すフィールド自体やフィールドに生活している生き物やオブジェ。すべてかけがえのない存在となるのです。ここに循環世界の面目躍如があるのです。

|

« 21世紀型教育研究センター クルックフィールズで2050年からシナリオプランニング(3)マインドフルネスによる自然と社会と精神の循環 | トップページ | 21世紀型教育研究センター クルックフィールズで2050年からシナリオプランニング(5)児浦モデル:新しい学びのデザインをメタデザインするWS »

創造的才能」カテゴリの記事

21世紀型教育」カテゴリの記事

創造的対話」カテゴリの記事

創造的破壊」カテゴリの記事

PBL」カテゴリの記事