なぜドネラ・メドウズか?生活市民一人ひとりが参加するコミュニティ多様性のきっかけをつくったから。
★2015年のSDGsが国連で採択されたきっかけをつくった一人にドネラ・メドウズがいることは間違いないでしょう。もちろん、2015年には彼女がこの世にすでにいなかったのは、残念でならないのですが。
★1972年に世に警鐘を鳴らした「成長の限界」の中心的な編者だったドネラ・メドウズ。その後システム思考を中心に、現行学習指導要領で騒がれている「探究」の考え方やツールのほとんどを提供しました。
★ドネラが亡くなってから、彼女のアイデアを世に出した「世界がもし100人の村だったら」は、そのシステム思考の構造のエッセンスと根源的問題、メンタルモデルの問題が詰まっています。
★高3生とこの本を眺めたとき、中学の時に授業でやったけれど今更なぜ?と最初はなりましたが、絵本やひらがな詩が、年齢を問わず根本的な問題と希望のビジョンをくみ取れるのと同じ感覚を持った高3生も最終的にでてきました。
★この感覚がとても大事ですね。ジョブスだったら「引き算の美学」といったでしょうね。
★難しいことをやろうと思えば、ドネラの書いた専門的な書籍を読めばよいけれど、専門家であろうと生活市民であろうと、根本的な問題を解決しながら生きることに差はありません。
★しかしながら、2015年以前は、それは専門家に任せて、生活市民は従っていればよいという価値観が多勢を占めていました。そんな中、英語によって世界的視野を生活市民も抱けるようになったし、インターネット、ノートパソコン、スマホ、SNSの出現で、世界の知を生活市民が自在に活用できるようになったし、気候変動やパンデミックが、生活市民一人ひとりがヘルスクライシスのリスクをマネジメントするようになりました。
★オンラインは、そんな問題を共有し解決しようとする無形資産のあふれるニューコモンズ拡張したわけです。
★今のところ無限の広さを持つかのようにみえるデジタル・コモンズですから、多様なコミュニティが国境を越えて生まれています。
★専門家集団はとても大事です。しかし、生活市民がつくる多様なコミュニティも大事です。
★このコミュニティ多様性の本当の意味は、マックス・ウェーバーの指摘する「生産手段が市民の手にないことによる社会的葛藤」を解決する道を開いているところです。英語やPC、SDGsは、生活市民一人一人が有するシン・生産手段です。これを活用して、ウェルビーイングな生活及び社会を形成することは可能です。
★湯川秀樹をはじめとする科学者も複雑な現象はシンプルな原理によって成立すると語ります。生活市民は、そのシンプルな原理とシン・生産手段を獲得し、錬磨しアクションを生み出すコミュニティ多様性を生み出す世の中が拡張していくでしょう。
★探究の希望は、難しことや難しい本を読む必要もなく、体験とディスカッションとアクションを通して、ドネラのようなメンタルモデルやシsテム思考に行き着けることです。だれだれがこう言ったというリサーチはもちろん重要です。剽窃やコピペ、カット&ペーストなどは困りますから。しかし、根本的な問題やその解決方法は人類の共通財です。この共通財を活用し、適用しながら、具体的状況に合わせながらイノベーションを起こしていくことが何より重要です。それは生活市民と専門家の協働でパワフルにできるでしょう。
★国や自治体の役割とコミュニティ多様性。特に国や自治体から独立したコミュニティの新しい形態がポイントです。千葉県木更津市のクルックフィールドという、農業とデジタルとサービスを循環システムに統合しているコミュニティは、株式会社が運営しています。
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