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2022年8月30日 (火)

コンパクトスクール 外部団体との連携の仕方にヒントあり

★2030年問題をクリアするには、学校もまたコンパクトスクールになる必要があります。コンパクトだからといって、少人数を推奨しているのではありません。少人数だろうが大人数だろうが、かかわる環境や人々と物質的精神的循環を形成し持続可能にすることができるかです。

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★循環というと閉じられたイメージがあります。たしかに地球規模で考えれば今のところ閉じられていますが、宇宙レベルでいえば、開放系です。少なくとも、地域レベルでいえば、学校は開放系です。もちろん、この開放系は、収奪されるようなかかわりをしてしまうと、衰退します。

★相互に循環できる関係を創ることが必要です。学校にとって、なぜ偏差値は危険かというと、入試市場で収奪される側に位置づけられる危険性があるからです。

★あらゆる生徒がそれぞれ才能を持っているのに、ある一定の才能だけが価値づけられることによって、その価値が商品として消費されるようになります。

★ですから、そうならないようにあらゆる生徒の才能が、価値づけられるようなかかわりを形成する使命が学校にはあります。そうなると、1人ひとりの才能を見出し、それが将来価値ある存在として市場で生活できる環境をつくれるようにする循環系を生み出す必要があります。もちろん、市場そのものを創出できるクリエイティビティが育つのはもっとよいのです。

★それはともあれ、たとえば、学校は開放系ですから、いろいろな団体と連携しています。電気や上下水道もそうです。ウクライナの件でわかるように、このインフラでさえも、循環を止めるぞという収奪的な圧力が発生すると、とたんに学校は困ります。

★現状、インフラにおいてはリーズナブルな関係が定型的に展開していますが、ここにグリーン化をお互いに気遣うようになると、その互いの循環の質は高まります。この点に関しては、実際にはまだまだこれからです。

★ここでは、最近トレンドになっている「探究」について考えてみたいと思います。探究のテーマは、どうしても2030年問題にならざるを得ません。すると、人間の活動による気候変動の仕組みやその気候変動の影響による格差や貧困などの人間関係への影響などは、ニュースソースや文献でなんとかなるのですが、農林水産業や工業、サービス業などの産業やエネルギー工学などに対する影響は、かなり専門的かつ技術的なものになるがゆえに、そのような団体と連携する必要があります。

★その連携のパターンは、上記の図のように3つです。実は、思考コードのA軸、B軸、C軸に対応しているのが興味深いですね。

★この中で、団体と学校と生徒が相互に関係するような状況をつくるC軸パターンは、なかなか難しく昨年までは、あまりなかったですね。ところが、最近では、このC軸パターンが増えてきました。総合型選抜が増加したのと相関があるのではと思っています。

★しかし、やはりハードルは高いのです。それぞれキャラが違うし、価値観も違うし、思惑も違います。このコーディネートをするスタッフが、団体からも学校からも生徒からもでてこないと循環が生まれません。

★特に学校においては、このようなコーディネートをする人材はそう多くはありません。

★互いに相手に合わすわけでもなく、どうだあ!すごいだろうというわけでもなく、教えてくださいと受動的になるわけでもなく、共創できる状況をコーディネートするには、三者がクリエイティビティを発揮しなければならないのです。国際平和の合意形成と構造的には似ています。

★学校が専門的な団体とコラボするとき、お互いに何らかのギャップがあります。ある程度互いに適用できるなんらかのツールを媒介にする必要があります。ところがこの媒介項は、既製品がないのです。

★新たに創る必要があります。

★勤務校でも2つの連携をC軸パターンで進めていますが、その過程で、まったくユニークなワークシートが3枚生まれました。そのうちの一枚は、もっとも知の基礎になります。目からウロコでした。数学科の副部長で、広報部長で、企画戦略室室長の伊東先生と1年間対話し、実際にワークショップを何度も重ね、生み出したものです。いや生まれてきたものです。

★今週の金曜日、GWEで少し説明いたします。文学と数学と芸術哲学が循環するワークシートです。その一枚のシートを見たら、エッ!そんな簡単なの?!と驚くでしょう。しかし、原理はシンプルなのです。それが複雑系を生み出します。

★ほかの2枚は、一つは、気候変動の影響のチャートです。多くの学校が行うSDGs、勤務校もそうですが、実に偏った領域で学んでいることがわかります。わかれば、乗り越えていけばよいだけですが、偏っているという気づきがないとそれはできません。

★もう一つは、改革や改善のアクションを考える方向性が5つあるという気づきです。これは芸術哲学の実用化であることに伊東先生と対話して気づいて互いに驚きました。action treeというシートです。

★いずれ、この2つもどこかで公開しようと思います。

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