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2022年8月10日 (水)

ウェルビーイングを今の教育で持続可能にするためには、ウェルビーイングをリフレーミングできるかどうかだが。(3)イノベーション行為と制度設計

★ウェルビーイングを生み出すには、どうしてもイノベーションを創発するアクションが必要になります。イノベーションとは、人々が困っている状況を変容させる行為だし、そもそも自己変容する行為そのものです。そして、おもしろいのは、このようなイノベーションアクションを起こす人は、制度設計も自由を大切にするようにルール変更していきます。

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★本シリーズでは、ウェルビーイングをメンタルモデルや自由、お金の側面から考察してきましたが、実は、イノベーションアクションに注目するのが解決力があるなあと、今感じています。

★イノベーションアクションとは、ICTを自在に使いこなすというのもそうですが、ルールを変更するとか、プロセスを変更するとか、表現方法を変更するとか、デザイン思考が得意としているようなアクションです。

★また目に見えなかった諸関係をループ化し、根本問題を探し当て、それを解決するループを生み出すシステム思考もイノベーションアクションでしょう。

★メンタルモデルは、その行為が出来る自分かどうかをモニタリングするうえで重要でした。自由とお金は、イノベーションアクションができるチームや組織、社会、国、世界であるかどうかをモニタリングするうえで必要でした。

★そのモニタリングは、アップデートだとかアップグレードだとか、パラダイムチェンジだとか、いろいろな呼ばれ方をしますが、要はトランスフォーメーションを生み出すというエンジンですね。

★その意味では、イノベーションアクションは、最強のエンジンです。森で伐採をしているときに、理科で習った植物の繊維の性質を想いだし、新結合すると「木の電池」が生まれます。レアメタルを使わないし、カーボンニュートラルだし、環境にやさしいかもしれません。SDGsで学んだ情報や知識が、伐採行為時に急に新結合して、新たな発想が生まれます。

★鉛筆の芯などの黒鉛の分子配列とダイヤモンドの分子配列は、平面か立体かの違いはありますが、同素体です。その平面と立体のモデルを眺めている時、トポロジーという数学的発想が結合します。すると、サッカーボールのような形になったら、その中に薬を入れて、体内の患部にダイレクトに投与できるなあと発想が生まれます。実際、ナノテクノロジーで化学反応を試してみたら、新物質フラーレンができてしまったという話は有名ですね。これもイノベーションアクションです。

★この発想を現実化するためには、ICTは必須ですが、イノベーションアクションがあるからこそ、ICTは力を発揮します。そして、同時にICTもアップデートします。それは、製造業で、特注の部品をつくるとき、治具(jig)を新たに創る必要があるのと同じです。この治具の技術は、日本固有のもので、世界で高い評価を得ていますね。

★イノベーションは、こうして横断的だし、越境的で、一点をとってこれがイノベーションだということはないのです。

★それにしても、文理融合とはよくいったもので、ここで述べた事例でも、アナロジーというレトリック思考が稼働しているのがわかります。

★イノベーションアクションは、かくしてシステム思考、レトリック思考、数学的思考、アート思考などの結合を生みだします。

★このような各思考の結合の学びをシン・リベラルアーツと呼びたいと思います。IBのCAS、EE、TOKは、ある意味、シン・リベラルアーツの仲間ですが、地球市民全てが学べるプログラムにはなっていません。

★私たちは、すべての地球市民が学べるシン・リベラルアーツを共有できることを目標にしたいと思います。教育や学びがシン・コモンズになるとウェルビーイングは拡大します。その拡大は、真理であり、真理は自由を持続可能にするでしょう。

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