気候変動ワークショップ 開発教育協会と聖心女子大学グローバル共生研究所に学ぶパウロ生
★夏期休暇中に、聖パウロの生徒が、気候変動ワークショップで学びました。聖心女子大学のグローバル共生研究所にコーディネートしていただき、認定NPO法人開発教育協会の伊藤容子さんと聖パウロ生は出会うことがかないました。
★学校が工事中だったため、高尾の市民区民センターの和室を借りてのオンラインワークショップとなりました。参加した生徒は、気候変動とSDGsの関係について興味・関心・気遣いをもつところから夏期休暇前から集まってディスカッションしています。
★今回は、気候変動による多様な影響について理解を深め、その解決策を、「私」「学校」「社会」「国」「世界」・・・と主語を変えながらディスカッションしていくワークショップでした。
★伊藤さんが用意してくださった、3つのエピソードについて語り合いました。
★最終的に、パウロ生が気づいていったのは、たしかに「自分事」は大事ではあるけれど、自分たちはまだまだ理解度を深める途上であり、解決策を考えたとしても、実際のアクションを起こすことの難しさについて改めて気づいたのです。ただ、それはネガティブな感情なのではなく、今後自分たちはどこに向かって変容していく必要があるのか、それぞれの道を拓いていきました。
★もちろん、伊藤さんが用意してくださった海面上昇によるキリパスの国土の危機、ネパールの農業の危機、ホッキョクグマに象徴される北極圏の危機などのケースは、パウロ生にとってはとても悩ましい問題でした。遠くの話で済まされない辛い気持ちになり、自分たちが何ができるのかそう思うこと自体、ジレンマを感じ苦しい想いでいっぱいになっていました。
★とはいえ、3ケースに比べ、まだまだ間接的ですが、自分たちの身の回りも気候変動による影響を被っています。身近なところからアクションはできるはずだと。しかし、・・・。
★こういう葛藤をどうクリアしていくか思い悩む体験は、根源的な問題に興味と関心、気遣いを抱くことにつながっていきます。おのずと行動が生まれざるを得ません。
★聖パウロ学園側のファシリテーター兼サポーターは、伊東竜先生でした。
★実は竜先生は、伊藤さんとは初めてお会いしたのですが、実によく打ち合わせをしていたのではないかと思わざルを得ない程、スムーズかつライブ感たっぷりな場を作っていました。竜先生自身、探究ゼミでワークショップをデザインしているし、外部の方との連携のコーディネートもしていますから、身体が自然と動くのでしょう。
★テーマは違っていても、このようなワークショップをデザインする人同士は、共感性が高いので、ある意味阿吽の呼吸で場を構成することができます。
★それは生徒も同じです。このようなワークショップに没入することができるのは、自己観察という内観をすることができる場を大切にしているからです。その場は、ファシリテーターによって用意されることを体験を積み重ねて身に染みているのでしょう。
★今年は、あの「成長の限界」が出版されて50年です。この書で、ドネラ・メドウズは、2030年問題を科学的に予測したわけです。そして、そうならないように、ネガティブシナリオをポジティブシナリオに転じる解決方法を地球市民自身が考え、判断し、行動できるように、システム思考の方法を次世代に継承する活動をしたのでした。
★今回のワークショップにもドネラ・メドウズや聖心女子大のOG緒方貞子さんのようなロールモデルの息吹がありました。
★このメンバーによる気候変動を中心とするSDGsの思索と探索はまだまだ続きます。なぜなら2030年問題に直面する当事者だからです。2089年や2050年からバックキャスティングすることはもちろん重要ですが、そのためには、まずは喫緊の2030年問題をクリアする必要があります。そこに未来はかかっていると言っても過言ではありません。
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